利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0314

利用課題名 / Title

透明導電酸化物薄膜の結晶粒観察

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

In2O3 (ICO:H) ,反応性プラズマ蒸着 (RPD) , ICO:H 前駆体,固相結晶化


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

野本 淳一

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-034:集束イオンビーム加工観察装置(FIB)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 水素 (H) とセリウム (Ce) を共添加した In2O3 (ICO:H) 透明導電膜は顕著に高いキャリア移動度のため、近赤外光の吸収の原因である電子密度を低く抑えた状態でも高い電気伝導を実現できる。高移動度 ICO:H 透明導電膜の形成方法は、先ず、マグネトロンスパッタや反応性プラズマ蒸着 (RPD) 成膜中に微量の水蒸気を導入することで、非晶質の ICO:H 前駆体薄膜を形成する。成膜後、熱やエキシマレーザー照射による固相結晶化を施すことによって巨大な結晶粒が形成され、高移動度の特徴が発現する。そのため、形成される結晶粒の分布や粒径の把握が極めて重要である。本課題では、走査型電子顕微鏡 (SEM) よりも結晶方位に応じた高いコントラストが得られる走査イオン顕微鏡 (SIM) を用いて、薄膜の結晶粒を観察した。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
【NPF034】集束イオンビーム加工観察装置(FIB)

【実験方法】
 観察試料は RPD 法により樹脂基材上に形成した膜厚 150 nm の ICO:H 薄膜である。成膜後、エキシマレーザー照射により固相結晶化を施した。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig. 1 に (a) 結晶化前及び、(b) 結晶化後のICO:H 薄膜における 4 万倍で観察した表面 SIM 像を示す。Fig. 1(a) が示すように、結晶化前の前駆体薄膜は非晶質であるため、特徴の無い表面をしている。一方、結晶化後の薄膜は最大で約 2.4 µm の結晶粒が全面に覆っている様子が明確に確認された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Plan-view SIM images of (a) amorphous, and (b) solid phase crystallized ICO:H films.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

謝辞:本課題実施にあたり、産業技術総合研究所ナノプロセシング施設 飯竹昌則 様の多大なるご支援に深く感謝致します。

プレス発表:
産総研「近赤外帯域で高透明な世界最高電子移動度のフレキシブルフィルムを開発」,2022年12月5日
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr2022120


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Junichi Nomoto, Over 130 cm2/Vs Hall mobility of flexible transparent conductive In2O3 films by excimer-laser solid-phase crystallization, NPG Asia Materials, 14, (2022).
    DOI: doi.org/10.1038/s41427-022-00421-4
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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