利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0240

利用課題名 / Title

電圧変調強磁性共鳴測定に向けたµCPWの作製

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スピントロニクス,省電力素子,磁気ダンピング定数,局在スピン,強磁性共鳴測定,マイクロコプレナーウェーブガイド (µCPW)


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山本 竜也

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-006:マスクレス露光装置
AT-093:高速電子ビーム描画装置(エリオニクス)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 電子が持つスピン自由度を素子の駆動に積極的に応用する「スピントロニクス」を技術基盤とした「スピントロニクスデバイス」は既存の半導体デバイスを置き換え可能な省電力素子として期待されている。
 磁性材料を用いたスピントロニクスデバイスの性能を左右するパラメーターの一つとして磁気ダンピング定数が挙げられる。磁気ダンピングは磁性体中の局在スピンの緩和に関するパラメーターであり、デバイスの動作電力や動作の信頼性に大きな影響を与える。しかしながら、磁性薄膜における磁気ダンピング増大の起源は完全に理解されておらず、さまざまな磁気パラメーターとの相関関係を調べる必要がある。本研究では、マスクレス露光装置を用いることで電圧印加下において強磁性共鳴測定が可能なマイクロコプレナーウェーブガイド (µCPW) を形成し、磁気パラメーターの相関関係を明らかにすることを目標とした。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
[NPF006] マスクレス露光装置
[NPF093] 高速電子ビーム描画装置(エリオニクス) 

【実験方法】
 熱酸化膜付きSi基板上にTa/CoFeB/MgO/capping積層膜をスパッタ成膜した。成膜後、TLOR-N(東京応化)をスピンコートし、110˚Cで45秒間ベークした。露光量80 ~ 160 mJ/cm2で描画を行った後、120˚Cで90秒間post-exposure bakeし、NMD-3で1分間現像した。

結果と考察 / Results and Discussion

 Fig.1に本研究で作製したµCPWの光学顕微鏡像を示す。重ね描画を用いることで、強磁性体電極上に絶縁層を介して長さ400 µm、幅10 µmの信号線が綺麗に形成できている。これらのデバイスを用いることで、膜厚1 nmの磁性体超薄膜の強磁性共鳴測定に成功した。一方で、今回の構造では十分な層間絶縁が得られず、電圧印加下において強磁性共鳴を測定することはできなかった。
 今後は、電圧印加下における強磁性共鳴測定に向けてµCPWの構造最適化および絶縁層の成膜条件調整を進めていく。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Microscopy image of microfabricated µCPW.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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