利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0232

利用課題名 / Title

ニオブフォノニック結晶の特性評価III

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

2 次元フォノニック結晶,ニオブフォノニック結晶(PnC–Nb)


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

全 伸幸

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-068:磁気特性測定システム(MPMS)
AT-085:物理特性測定装置(PPMS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 フォノン工学は、固体中に周期構造を作り込むことでフォノンバンドを自在に制御できる新技術である。フォノン工学が施された固体は「フォノニック結晶」と呼ばれるが、薄膜に周期的貫通穴を空けることは現在の微細加工技術にとって容易であり、そのような2 次元フォノニック結晶がフォノン工学の格好の研究対象である。
 現在のところのフォノン工学は、伝熱制御の用途だけが注目されており、フォノン工学が適用される固体は、それら熱電素子等の母体となる誘電体のみである。本研究では、フォノンが固体中で果たすもう一つの役割、すなわち「固体中の電子間相互作用を媒介する」という性質に着目し、フォノン工学を金属ニオブに適用した。

実験 / Experimental

【利用した主な装置】
 ・【NPF068】磁気特性測定システム(MPMS)
 ・【NPF085】物理特性測定装置(PPMS)

【実験方法】
 上記のMPMSとPPMSはともにスタンダードな物性測定装置である。とりわけ温度制御性に優れており、サンプルの磁化特性および電気特性を高精度かつ高確度で調査することができる。
 まず、作製したニオブフォノニック結晶(PnC–Nb)の電気特性をPPMSを用いて調査した。温度を300 K〜2 Kの範囲で変化させつつ電気抵抗を測定した[R-T測定]。
次に、当該フォノニック結晶の磁化特性をMPMSを用いて調査した。まずゼロ磁場で5 K付近まで冷却し、磁場を印加してセンタリングを実施した後、温度を300 Kまで変化させながら磁化を測定した[ZFC測定]。次いで、磁場を印加したまま温度を5 K付近まで変化させながら磁化を測定した[FC測定]。

結果と考察 / Results and Discussion

 R-T測定を繰り返すことでフォノニック結晶サンプルの電気抵抗値が特異的な変化を示すことが分かった。また、当該サンプルの磁化についても、電気抵抗値が特異的な変化を示したときと同じ温度領域で同様の特異性を示した。これらの結果は、冷却昇温サイクル中に金属性フォノニック結晶が異常な物質相に転移することを示唆しているが、それが導電キャリアと人工フォノンとの間に働く異常で新奇な相互作用に依るものなのか、あるいはその他の要因に依るのかどうかは今後の調査によって明らかにしていく必要がある。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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