利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0222

利用課題名 / Title

液体ヘリウム温度以下におけるフリーラジカル試薬4HTB・TEMPOLの磁気モーメントの温度依存性測定

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

TEMPOL,DPPH,フリーラジカル,有効磁気モーメント法


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

松本 信洋

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-068:磁気特性測定システム(MPMS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 TEMPOL, DPPHなどの安定なフリーラジカルをもつ高純度試薬はフリーラジカル定量分析の標準試料として広く用いられている。また、4HTBは室温での長期保存が可能な安定フリーラジカル試薬である。これらの試薬のフリーラジカルとしての純度を「有効磁気モーメント法」、すなわち、キュリー・ワイスの法則とESR基本方程式の組み合わせに基づいて絶対定量分析した結果を論文に投稿した。その後、査読者より「4HTBとTEMPOLの4.2 K以下の磁気測定の結果が必要」との指摘を受けたため、SQUIDで4.2 K以下の低温領域での磁気モーメントの温度依存性測定を実施した。各高純度試薬について異なる2社の試薬メーカーから購入して分析した結果、不確かさの範囲を超えて純度に差が見られたため、低温域の磁気モーメントの温度依存性における差の有無を確認した。

実験 / Experimental

【NPF068】磁気特性測定システム(MPMS)

 質量既知の測定粉末試料をカプセルに入れ、1 Tに相当する磁場を印加しながら、磁気モーメントの温度依存性を測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

 図1は4HTBおよびTEMPOLの1.8 K~12 Kにおける磁気モーメントの測定結果である。また、図中には各測定試料の質量が記載されている。両化合物ともに、試薬メーカー間で温度依存性の明確な差は見られなかった。これらの結果を投稿論文のSupporting Informationに追加し、その後、受理された[「論文・学会発表」の(1)]。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


 



図1  Temperature dependence of magnetic moment of pure 4HTB and TEMPOL reagents.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

<謝辞>本研究はJPSJ科研費JP17K05918, JP21H01972の助成を受けたものです。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Nobuhiro Matsumoto, Absolute Quantification of Pure Free Radical Reagents by Combination of the Effective Magnetic Moment Method and Quantitative Electron Paramagnetic Resonance Method, Analytical Chemistry, 94, 12595-12603(2022).
    DOI: 10.1021/acs.analchem.2c01005
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 松本信洋, 伊藤信靖, 山崎和彦, "有効磁気モーメント法と定量EPR法の組み合わせによるフリーラジカル試薬4HTB・TEMPOL・DPPHの純度分析", 第61回電子スピンサイエンス学会年会(SEST2022)(熊本), 2022年12月4日
  2. 松本信洋, 伊藤信靖, 山崎和彦, "有効磁気モーメント法と定量EPR法の組み合わせによるフリーラジカル試薬の純度分析", 日本分析化学会第71年会(岡山), 2022年9月16日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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