【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22AT0167
利用課題名 / Title
スパッタにより成膜したハフニウムナイトライド薄膜のXPS分析
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電界放出型電子源,ハフニウムの窒化物(HfN),電子源被覆材料
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
長尾 昌善
所属名 / Affiliation
産業技術総合研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
横山 光男,伊藤 佐知子,大住 知暉
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
AT-011:i線露光装置
AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]
AT-074:エックス線光電子分光分析装置(XPS)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々は、電界放出型の電子源を研究している[1]。電子源の性能は、表面の仕事関数や耐熱温度などによって決まる。したがって、性能を向上させるためには、これらの特性の優れている材料で電子源表面を被覆することが有効である。遷移金属の炭化物や窒化物は、比較的仕事関数が低く、超高融点を持っているので、電子原材料としては有望である。本研究では、ハフニウムの窒化物(ハフニウムナイトライド:HfN)を電子源被覆材料の候補として選び、薄膜を成膜し、その表面を分析した。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】
【NPF011】i線露光装置
【NPF031】原子層体積装置
【NPF074】エックス線光電子分光分析装置
HfNの成膜には、誘導結合RFプラズマ支援マグネトロンスパッタを用いた。ターゲットとして、金属Hfを用いてArとN2の混合ガスでスパッタリングする方法と、ターゲットとして化合物HfNを用いてArのみでスパッタする方法を比較した。前者の場合Arを3sccm、N2を3sccmとし、後者の場合Arを6sccm流した。RF電力100 Wでシリコン基板上に成膜した。成膜した薄膜をXPSにて分析を行った。XPS測定の際には、3kVのArイオンビームで1分エッチングを行うごとに分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
ワイドスペクトルからは、Hf, Zr, N, C, Oのピークが得られた。ZrはHfの不純物として必ず混入するようである。Cのピークは最表面(Arエッチング時間0)の時のみ観測され、それ以外では観測されなかった。一方O1sのピークは膜中からも観測され、膜中にも酸素は混入していることがわかった。図1は化合物HfNをターゲットとしたときと金属Hfをターゲットとした場合のO1sピークの違いを示している。HfNターゲットを用いた方が膜中の酸素が多いことがわかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1: (a) HfNと(b) HfをターゲットしてHfN薄膜を成膜した時のO1s XPSスペクトル
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献
[1] M. Nagao, K. Murakami, Vacuum and Surface Science, Vol. 63, No.1 (2020) p.7.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
Takeo Nakano, Structure optimization of Spindt-type emitter fabricated by triode high power pulsed magnetron sputtering, Journal of Vacuum Science & Technology B, 40, (2022).
DOI: 10.1116/6.0002201
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 村田博雅,村上勝久,長尾昌善, "大電流動差に向けた電子源要素技術の開発", 電子情報通信学会 電子デバイス研究会 電子・イオンビーム応用(名古屋), :2022年12月8日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件