利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0137

利用課題名 / Title

センシング材料表面の評価

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

接触角,UBMスパッタ法,疎水化処理,F-UBM,O-UBM


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

鎌田 智之

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-018:反応性イオンエッチング装置 (RIE)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 水溶液中の極微量物質を電気化学的に測定するためには、電極表面と測定対象物質との親和性が非常に重要である。[1-3] 特に、測定対象となる物質が疎水性表面を好むと考えられる場合、電極表面の疎水化度合いを制御する必要がある。今回、カーボン電極表面に対してフッ素系プロセスガスを用いた反応性イオンエッチング装置による疎水化処理を行うことで、電極表面の疎水化度合いの制御を目指した。疎水化の度合いについては蒸留水を用いた接触角を測定することで評価した

実験 / Experimental

反応性イオンエッチング装置(RIE)【NPF018】

 UBMスパッタ法を用いて、カーボン電極を成膜し、その電極表面に対して、反応性イオンエッチング装置(RIE)を用いて疎水化処理を行った。RIE装置による疎水化処理はCF4ガスをプロセスガスに用い、出力40 Wで10 secとした。疎水化の数値的比較には、蒸留水と電極表面の接触角の評価を用いた。また、疎水性が非常に高いことで知られるテフロン(PTFE)と親水性が非常に高い親水化カーボン電極を比較対象とした。

結果と考察 / Results and Discussion

 各種カーボン電極とPTFE表面との接触角をFig. 1に示す。カーボン電極は疎水化処理前(as-depo)、RIE装置による疎水化処理後(F-UBM)、親水化処理後(O-UBM)とした。as-depo電極表面と蒸留水との接触角は67.7度程度であった。これは、O-UBM電極表面と蒸留水との接触角(38.4度)と比べると著しく高い値である。しかし、PTFE表面の接触角(112.5度)には届いていない。一方、F-UBM電極表面の接触角は92.7度と、as-depo電極表面の接触角よりも高い値を示し、カーボン電極表面がより疎水化されていることが明らかとなった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1 Contact angles of the (a) as-depo, (b) O-UBM, (c) PTFE and (d) F-UBM.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

PTFEと同程度までカーボン電極表面のフッ素濃度をより増加させることができるRIE処理条件を見出すことで、より疎水化表面を実現することが今後の課題である。

・参考文献:
[1] E. Kuraya et al., AnaChem 88 (2016)
[2] D. Kato et al., Electroanalysis 33 (2021)
[3] D. Kato et al., AnaChem 93 (2021)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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