利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.31】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0128

利用課題名 / Title

High-k膜の成膜

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

High-k膜, ALD, HfO2, ZrO2, 単色エネルギー可変陽電子ビーム, 消滅γ線ドップラー拡がり測定,陽電子消滅,膜中の空隙


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

上殿 明良

所属名 / Affiliation

筑波大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 ALDを用いてHfO2/TiN(5nm)/Si及びZrO2/TiN(5nm)/Siを作成した.High-k膜の厚さは5-32 nmである.これらの試料について,単色エネルギー可変陽電子ビームを用いて,消滅γ線ドップラー拡がり測定を実施,high-k膜中での陽電子消滅に対応するドップラー拡がりを解析することにより,膜中の空隙についての情報を得る.

実験 / Experimental

 6インチSIウエハー上に,ALDを用いてHfO2/TiN(5nm)/Si及びZrO2/TiN(5nm)/Siを作成した.使用したALD装置はNPF031である.HfO2およびZrO2膜の厚さは5,10,32 nmである. Siウエハーは筑波大学で購入後,未開封で産総研に移動した.High-k膜製膜前の洗浄は実施していない.

結果と考察 / Results and Discussion

 製膜した試料について,単色エネルギー可変陽電子ビームを用いて,消滅γ線ドップラー拡がり測定を実施する.HfO2およびZrO2膜中での陽電子消滅に対応するドップラー拡がりを解析することにより,膜中の空隙についての情報を得る.また,Si中に打ち込まれた陽電子の表面方向への拡散を評価することにより,膜中ないしは界面における電荷の変化を推定する.加えて,産総研の先端ナノ計測施設に設置された装置を用いることにより,陽電子寿命スペクトルを得る.あらかじめ筑波大学でドップラー拡がり測定を陽電子打ち込みエネルギーの関数として測定しておくことにより,陽電子が最もhigh-k膜中で消滅する場合の陽電子エネルギーを決定しておく.これにより,迅速な陽電子寿命スペクトルの取得が可能となる.
 また,筑波大学でX線回折実験を実施することにより,high-k膜中の結晶状態を評価する.加えて,筑波大学で上部電極を形成,high-k膜の電流-電圧特性を取得する.これらの実験により,NPF031で製膜したhigh-k膜のクオリティの評価を実施する.
 試料を窒素雰囲気中で1000℃まで焼鈍した後,上記の陽電子消滅γ線ドップラー拡がり測定,陽電子寿命測定,X線回折実験及び電気的特性の評価を行う.試料を焼鈍することにより,high-k膜の空隙サイズの変化,high-k膜の結晶化を掌握,これらの物性変化に伴うリーク特性の変化を議論することができる [1,2].
 今回の施設利用で、HfO2およびZrO2の2種類の膜を、5,10,32 nmの3種類の異なる厚さで成膜することで、上記の評価・議論を行うための6種類の試料を作製することができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献
1.   A. Uedono, K. Ikeuchi, T. Otsuka, K. Shiraishi, S. Miyazaki, N. Umezawa, A. Hamid, T. Chikyow, T. Ohdaira, M. Muramatsu, R. Suzuki, S. Inumiya, S. Kamiyama, Y. Akasaka, Y. Nara, and K. Yamada, “Characterization of HfSiON gate dielectrics using monoenergetic positron beams”, J. Appl. Phys. 99, 054507 (2006).
2.   A. Uedono, N. Takahashi, R. Hasunuma, Y. Harashima, Y. Shigeta, Z. Ni, H. Matsui, A. Notake, A. Kubo, T. Moriya, K. Michishio, N. Oshima, S. Ishibashi, “Vacancy-type defects in TiN/ZrO2/TiN capacitors probed by monoenergetic positron beams”, Thin Solid Films 762, 762 (2022). 


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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