利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0124

利用課題名 / Title

ALD法によるAZO成膜条件の最適化

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

透明電極材,ZnO,AZO


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

馬場 亮吉

所属名 / Affiliation

株式会社SteraVision

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

上塚 尚登

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-031:原子層堆積装置_1[FlexAL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 レアメタルを含有しない透明電極材であるZnOはITOの代替材料として注目されている。ZnOにAlをドープしたAZOは抵抗値が安定し多くの実績がある。カバレッジの成膜特性に優れるALD法によるAZO成膜で安定した低抵抗を得るためにプロセス条件を検討した。

実験 / Experimental

・利用した主な装置名
原子層堆積装置【NPF031】

・実験方法
 石英ウエハ上にALD法により各種条件でAZO成膜を行い、抵抗値の評価を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

 ALD成膜状態はプロセス温度に大きく依存した。150℃以下では抵抗値が極端に大きくなることがあり、不安定であった。200℃で安定した抵抗値が得られたため、本検討のプロセス温度は200℃とした。また、我々のアプリケーションの要求特性から膜厚30nmとした。一般的にDEZ(ジエチル亜鉛)→TMA(トリメチルアルミ)の順番で繰り返し積層することでAlをドープする。今回はAlのドープ量は2wt%とした。
 成膜後に200℃に基板加熱しながらH2プラズマ処理を30min行うことで、還元作用による抵抗値低減を期待した検討を実施した。図1に作製したZnO膜と還元有無の場合のAZO膜の抵抗値の推移を示す。8インチ石英基板上に成膜した膜で、③はウエハ中央、①②④⑤はウエハ外周近傍の測定値である。ZnO膜は予想通り抵抗値が大きめでかつ経時変化も大きかった。それに対してAZO膜は抵抗値を低めに抑えることができ24日間であるが大きな経時変化はみられなかった。特にH2プラズマ処理を加えることにより若干であるが改善される傾向がみられた。
 一般的なAlドープの順番を変え、表面にドープ層が出ないようにすることでドープ層の保護を期待してさらなる低抵抗化ができないか検討した。順番を変えたAZO膜の初期抵抗値は700ohm台となり明確な効果がみられた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 作製したZnO膜とAZO膜の抵抗値の推移


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・今後の課題
AZO工程の量産時の低コスト化

・用語説明
 ALD:Atomic Layer Deposition(原子層堆積法)

・謝辞
本研究実施にあたり、産業技術総合研究所ナノプロセシング施設山崎将嗣氏にはALD成膜サンプルの技術支援いただきました。感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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