利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AT0090

利用課題名 / Title

X線回折による相変化材料の評価

利用した実施機関 / Support Institute

産業技術総合研究所 / AIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

相変化材料,不揮発性光通信用スイッチ素子,MnTe


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

桑原 正史

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

斉藤 央

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AT-070:X線回折装置(XRD)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 我々は相変化材料を用いた不揮発性光通信用スイッチ素子の開発を行っている。当初は、光記録に使われていたGeSbTeで研究を行っていたが、通信波長帯での光吸収が大きく、位相制御に使えないという欠点があった。昨年、東北大から報告されたMnTeは、もともと相変化メモリー用の材料であるが、スイッチ素子用としても、十分光吸収が小さいことがわかった。本研究では、MnTeの光・熱物性を測定し、シミュレーションへの導入数値とすることを目的としている。ここでは、MnTeの2つの相を確認するため、X線回折実験を行ったので、報告する。

実験 / Experimental

・利用した主な装置名:【NPF070】X線回折装置(XRD)

 試料構造は、シリコンや石英の基板上に100 nmのMnTeを成膜し、その上に酸化防止膜としてSiO2を100 nm成膜となっている。MnTeにはβ相とα相という典型的な結晶構造が存在し、アズデポではβ相、500℃前後でα相という結晶転移を起こす。XRDの測定モードとして 、平行法と集中法の2つを使い分けている。平行法では、X線のモノクロ化、スリットによるビームの平行化が行われるため、回折角度の高精度化が見込めるが、一方、強度が弱くなる欠点がある。集中法では、モノクロ化や平行化が行われず、そのため強度が強くなるメリットがある。ただし、後述するような装置由来な現象が生じ、使用には十分な注意が必要である。

結果と考察 / Results and Discussion

 典型的なMnTeのXRD測定結果を図1に示す。アズデポではβ相となり、24.3°に(002)面の回折、510℃アニールではα相となり、28.4°に(101)面の回折が観測された。XRDの測定により、所望の結晶性が得られていることがわかった。光・熱物性の測定を行う際、必ずXRD で結晶性を確認してから測定を行っている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 MnTeのXRD測定結果 上:アズデポ(β相)、下:510℃アニール(α相)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 XRDでは平行法と集中法という2つの測定モードがあるが、集中法ではブロードなピークが26-32°に渡って観測された。これは、装置由来のピークという結論であるが、当初は試料由来と解釈し、大変な混乱が生じた。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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