【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0429
利用課題名 / Title
磁性ナノ粒子/YIGハイブリッド構造におけるスピン波の研究
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
ナノ粒子/ Nanoparticles,スピン波,スピン制御/ Spin control,スピントロニクス/ Spintronics,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
佐久間 尊通
所属名 / Affiliation
東京大学工学部電気電子工学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-304:極限環境下電磁物性計測装置
UT-302:電子スピン共鳴装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ガス暴露前後の磁性ナノ粒子の磁性変化を見るため、東京大学の設備であるESR装置を用いて共鳴磁場の変化、およびPPMS装置を用いて磁化の変化を測定した。
実験 / Experimental
まずはエタノールガス暴露前後のCuFe2O4、ZnFe2O4のナノ粒子について電子スピン共鳴装置(JE-008)による共鳴磁場の測定を行い、同様の実験をアセトンガスについても行った。また、エタノールガス暴露前後のCuFe2O4、ZnFe2O4のナノ粒子について極限環境下電磁物性装置(UT-304)による磁化変化の測定を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1にエタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場変化を、図2にアセトンガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場変化を示す。共鳴磁場のシフト量からCuFe2O4の方が反応性が良いことが期待できるが、これはガスによりZnFe2O4ではFe3+が優先的に還元されるのに対し、CuFe2O4ではCu2+が優先的に還元されることによるものだと考えられる。また、アセトンガスとエタノールガスとのシフトの正負が異なるのは、還元されるサイトのイオンがガスによって異なることによるものであると考えられる。
また、図3にエタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の飽和磁化の様子をしめす。高印加磁場下で磁化が飽和していないが、線形的な変化を起こしているためこれは何かしらの常磁性成分が原因になっていると考えられる。また、ZnFe2O4は通常ヒステリシスは見せないはずだがこの実験結果からはヒステリシスが見られるため、実際のZnFe2O4の組成はFe3+0.98Zn2+0.02[Fe3+1.02Zn2+0.98]O4があることが予想される。また、こちらもCuFe2O4の方が反応性が良いことが期待され、これは共鳴磁場変化の実験の結果に一致する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1(a) エタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場の様子( CuFe2O4)
図1(b) エタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場の様子(ZnFe2O4)
図2(a) アセトンガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場の様子(CuFe2O4)
図2(b) アセトンガス暴露前後の磁性ナノ粒子の共鳴磁場の様子(ZnFe2O4)
図3(a) エタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の飽和磁化の様子(CuFe2O4)
図3(b) エタノールガス暴露前後の磁性ナノ粒子の飽和磁化の様子(ZnFe2O4)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件