【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0421
利用課題名 / Title
下部マントル圧力条件でのLLSVP構成候補鉱物の大歪変形実験
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
結晶方位選択配向,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
夏井 文凜
所属名 / Affiliation
東京工業大学理学院地球惑星科学系
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
東真太郎
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
福川昌宏
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
地球の最下部マントルには大規模S波低速度領域(LLSVP)があり、その端で強い地震波異方性が地震波観測から確認されている。このような地震波異方性は鉱物の結晶方位選択配向(CPO)の発達が引き起こしている可能性がある。LLSVPでCPOの発達が生じる原因は沈み込んだスラブの核マントル境界での衝突やLLSVP内の上昇にともなうせん断変形によるCPO発達との関係が議論されており、LLSVPを構成すると予想される鉱物の定量的な変形実験を行い、それらの鉱物の変形特性(レオロジー)や変形によるCPO発達と地震波異方性の関連性を調べる必要がある。本研究ではARIMの機器利用制度の支援を受け、高圧下での変形試料のCPOおよび粒径の観察に向けた最適なEBSD測定用試料準備条件の探索のための予備測定を行った。
実験 / Experimental
高圧ねじり変形実験装置である回転式ダイヤモンドアンビルセルを用いて高圧力下で変形した鉱物多結晶体の、EBSDを用いたCPOおよび粒径の観察に向けた予備測定を行った。予備測定用の試料はレニウムもしくはタングステン板に埋没した直径100 μm、高さ~50 μmの円柱状のFeO多結晶体である。試料はダイヤモンドアンビルセルを用いて~15 GPaの圧力に加圧することで、定性的な一軸変形を受けたものを用いた。試料は別機関の集束イオンビーム(FIB)を用いて円柱体試料の縁部分を圧縮軸に平行に切断し、加速電圧、照射電流、範囲等の加工条件を変えて、複数の試料を準備した。試料準備後、ARIM共同利用設備である走査型電子顕微鏡(JSM-7000F)を用いて試料研磨面全体のSEM像およびBSE像を取得し、試料研磨面複数箇所のEBSDマッピングデータを取得した。得られたEBSDマッピングデータを比較し、測定試料の切断・研磨条件を変更してよりよいEBSDマッピングデータの取得を目指した。
結果と考察 / Results and Discussion
EBSDマッピングデータの取得はJSM-7000Fの2回の機器利用で、4試料に対して実施した。1回の測定でFIBでの試料準備条件を変えた2試料についての測定を行い、FIBを用いた試料の切断形状・研磨面へのリデポジッション・ビーム跡・加速電圧・照射電流のEBSD測定への影響を確認し、2回目の測定では、試料準備条件を改善して測定をした。Fig.1に1回目の機器利用時に取得したEBSDマッピングを示す。試料にFIB加工によるダメージが加わらないよう、加速電圧および照射電流値を調整し試料研磨を行ったが、試料切断形状による測定可能範囲の制限やリデポジッションの影響が確認された。Fig. 2に2回目の機器利用時に取得したEBSDマッピングを示す。1回目のマッピング精度から試料切断研磨条件を変更し、より取得率の高いEBSDマッピングデータを取得することが出来た。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 EBSD mapping at the first measurement
Fig. 2 EBSD mapping at second measurement
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究の一部は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(東京大学微細構造解析プラットフォーム)の支援(課題番号:22UT0421)を受けて実施された。
・共同研究者
:東京工業大学 東真太郎様
・謝辞:指導教官である太田健二様の助言、東京大学工学部の福川昌宏様のSEM・BSE・EBSD分析の技術支援に深く感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件