利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.30】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0363

利用課題名 / Title

ナノバイオデバイスの材料分析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

ファイバー膜, エレクトロスピニング,電子顕微鏡/Electron microscopy,生分解性材料/ Biodegradable material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

倉持  宏実

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

西野航太,溝井千春,董翌洲,康琦,Afraz Khan

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

福川昌宏

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

有機圧電薄膜は無機材料にはない柔軟性を持ち、体表に貼付して常時計測することも可能であり、生体センサーへの応用が期待されている。実際、代表的なナノファイバー製造技術の一つであるエレクトロスピニング法により作製されたポリL乳酸(PLLA)ナノファイバー膜の積層配置および電極構造を変化させると、LEDを作動させる電源として働くことが報告されている。本研究では、医療応用できるセンサーの実現を目指し、圧電性材料を用いてエレクトロスピニング法を行い、プロセス条件がナノファイバー形状に与える影響について検討した。

実験 / Experimental

 高電圧を印加したノズルから高分子溶液を吐出することで、溶液の静電反発力を利用してナノファイバーを形成するエレクトロスピニング装置を用いて、8 inchシリコン基板コレクターにファイバーを形成した。クロロホルム:N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を体積比4:1で混合したものを溶媒とし、濃度14%(w/v)のPLLA溶液を用いた。ノズル−対向電極間距離を固定し、シリンジポンプの送液速度を4.0 µl/min, 20.0 µl/minに設定し、ノズルに+6 kV, 対向電極に-4 kVの電圧を印加してPLLAナノファイバー膜を作製した。また、作製したPLLAナノファイバー膜は高分解能走査型分析電子顕微鏡(JSM-7800F-PRME)で観察し、ナノファイバーの直径を解析した。

結果と考察 / Results and Discussion

 異なる送液速度で作製したPLLAナノファイバー膜のSEM像をFig.1に示す。送液速度が4.0 µl/min の場合は疎なファイバーが、20.0 µl/min の場合は密なファイバーが形成された。それぞれの送液速度におけるナノファイバーの直径は1.12 ± 0.36 μm, 1.69 ± 0.71 µmとなった。送液速度が20.0 µl/minの場合は、4.0 µl/minと比べて、太く、不均一なファイバーが形成された。送液速度の増加に伴い、電界による引き延ばし時間が短縮されたことと、テイラーコーンが不安定になった結果、噴出された溶液ジェットの形状が不均一になったことが原因だと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


SEM image of a fabricated thin film of nanofiber. (a)4.0 µl/min, (b)20.0 µl/min.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Afraz Khan, Effects of physico-chemical treatments on PLGA 50:50 electrospun nanofibers, Polymer, 261, 125400(2022).
    DOI: https://doi.org/10.1016/j.polymer.2022.125400
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. A. Khan, et al, “Effect of physiological degradation on mechanical properties of PLGA nanofiber films”, ICPST-39, 2022年6月18日.
  2. K. Qi, et al, “Chemical and electrochemical characterization of polyaniline nanofilms for the application of pH sensor”, The 17th TU-SNU-UT Student Workshop, 2022年10月14日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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