利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2024.02.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0359

利用課題名 / Title

金属集積型触媒における電子状態解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

電子分光,ナノシート/ Nanosheet,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

砂田  祐輔

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-301:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

貴金属を用いない触媒開発は、安価で環境負荷の少ない化成品合成の観点からも、近年の強い興味を集めている。本研究では、種々のケイ素化合物を与える化成品合成反応であるアルケンのヒドロシリル化に着目し、この反応を貴金属フリーで実現可能な新触媒の開発を指向し、金属・ケイ素複合型材料の開発と触媒としての応用を行ってきた。今回、特に、多数のコバルトをケイ素高分子上に集積させたコバルト・ケイ素複合型触媒におけるコバルトおよびケイ素の電子状態解析を行った。

実験 / Experimental

本課題では、多機能走査型X線光電子分光分析装置(PHI500 VersaProbe)を用いたXPS測定を行った。この際、測定するサンプルが空気に対し不安定であったため、トランスファーベッセルを用い、グローブボックス内でサンプリングを行い、空気に触れない状態でのサンプル導入、測定を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

当研究室では最近、金属・ケイ素複合型材料として、コバルト種とケイ素との複合型化合物を開発し、これがアルケンのヒドロシリル化に対し良好な触媒活性を示すことを見いだしている。そこで本研究では、本触媒におけるコバルトおよびケイ素の電子状態の解析に基づき、高活性触媒としての機能の根源を精査することを目的とし、コバルト・ケイ素複合型化合物を用いたXPS測定を行った。その結果、コバルトの2p軌道に帰属される780 eV付近のピークが確認されるとともに、ケイ素に由来するピークも確認され、これらのシグナルを詳細に解析することで、無機物質であるコバルトシリサイドと類似の電子状態を有していることが分かった。 さらに今回開発したコバルト種とケイ素との複合型化合物は、ヒドロシリル化に対する固体触媒として機能することも当研究室では見いだしている。そこで、触媒反応後に回収したコバルト種とケイ素との複合型化合物を用いたXPS測定も行い、反応の前後における電子状態などの変化について解析を行った。その結果、反応の前後でも構造・電子状態に大きな変化はないことが見いだされた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

特になし


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Tatsuyoshi Ito, A Cobalt-Containing Polysilane as an Effective Solid-State Catalyst for the Hydrosilylation of Alkenes, Organic Process Research & Development, 27, 1203-1209(2023).
    DOI: 10.1021/acs.oprd.2c00279
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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