【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0334
利用課題名 / Title
複合二相系の粘性
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
マントル物質, Forsterite, Geikielite(Ge),電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
姜 勝皓
所属名 / Affiliation
東京大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
マントル対流を議論するとき、マントル物質の変形を記述する流動則を使用する。多くの場合、上部マントル物質は主要鉱物であるカンラン石の単相系に単純化され、粘性率などのパラメータを導き出すのに利用される。多相系としてのマントル物質の流動則はまだ導き出されてない。Tasaka et al. (JGR 2013)はForsterite(Fo) とEnstatite(En)の二相系の試料を作り、異なる二相分率の粘性率を測定した。しかし、FoとEnの単相系での粘性率が大きく異ならず、その粘性率に最も大きな影響を与えたのは粒径であった。本研究では、それぞれの鉱物の固さが大きく異なるForsteriteとGeikielite(Ge)の二相系試料を合成し(Dygert et al. GRL 2016)、FoおよびGeそれぞれの固さがエ二相系粘性率に及ぼす影響を調べる。ここでは、その合成実験の結果を記す。
実験 / Experimental
Fo+Ge試料においてFoの体積分率が1%、25%、99%の3試料の合成を試みた。真空下、温度1200℃、3時間での焼結を行った。焼結後、断面を研磨し、グルービング処理1100℃を行った。研磨面を走査型電子顕微鏡JSM-7800F (JEOL)において観察した。変形実験に適した高緻密試料が得られたことを確認した。Fo体積分率99%試料において、Foの粒径が50 mmにもおよぶ異常粒成長が観察された。
結果と考察 / Results and Discussion
Fo体積分率99%試料において、Foの異常粒成長を抑制する必要がある。今後、より低い温度および短時間での焼結を試み、走査型電子顕微鏡による試料の微細構造観察と合わせて、より最適な合成条件を探索する。異常粒成長を抑えられた試料が合成された後には、その試料を用いた高温下での変形実験を開始する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献:
Influence of mineral fraction on the rheological properties of forsterite + enstatite during grain-size-sensitive creep: 2. Deformation experiments
Dygert, N., Hirth, G., and Liang, Y. (2016), A flow law for ilmenite in dislocation creep: Implications for lunar cumulate mantle overturn, Geophys. Res. Lett., 43, 532– 540, doi:10.1002/2015GL066546.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件