利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0309

利用課題名 / Title

ヘテロナノチューブの電界効果トランジスタ応用

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,ナノエレクトロニクスデバイス/ Nanoelectronics device,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

杉原  太希

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-307:走査型プローブ顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

電界効果トランジスタ(field effect transistor, FET)は電子回路に必要不可欠なデバイスである.SiFETの微細化に限界を迎えつつある今,SWCNT(single-walled carbon nanotube)チャネルのFETが代替として望まれている.SWCNTを用いた電界効果トランジスタの実用に向けて克服するべき課題の一つに界面準位密度の低減がある.BNNT(boron nitride nanotube)を外層に積層してSWCNT/BNNTヘテロナノチューブとすることで課題が解決できる可能性がある.本研究ではSWCNT/BNNT,SWCNTをチャネルとしたFETを作製し,伝達特性の比較からBNNTによる界面制御の効果を評価する.

実験 / Experimental

武田CRにて高速大面積電子線描画装置,高速シリコン深掘りエッチング装置,汎用ICPエッチング装置を用いてシリコン基板を加工した.加工された基板に触媒を真空蒸着後,化学気相成長法(CVD法)によって孤立架橋SWCNTを合成した.その後,CVD法によって窒化ホウ素層を積層し,SWCNT/BNNTヘテロナノチューブを合成した.SWCNT/BNNT,SWCNT合成後,ポリマーを用いて合成基板から平坦なシリコン基板へ転写した.
武田CRにある高速大面積電子線描画装置と自前の真空蒸着装置により単一のナノチューブごとに電極をパターニングし,武田CRにある原子間力顕微鏡でデバイスの観察をしたのち,SWCNT/BNNT,SWCNTを用いたFETの電気測定を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

SWCNT/BNNTとSWCNTのAFM像を図1に示す.SWCNT/BNNTについて厚い部分で直径が3nm以上ある一方で,SWCNTについてはどの箇所も直径が1.5nm以下である.このことからBNが被覆されていることがわかる.また,SWCNT/BNNTの観測箇所ごとの直径のばらつきからBN被覆が不均一であることが示唆される.
SWCNT/BNNTとSWCNTのそれぞれをバックゲートデバイスで伝達特性を測定した(図2(a)).それらからSSを算出したところ(図2(b)),SWCNT/BNNTをチャネルとしたデバイスのほうがSSが低い傾向にあった.このことからBN被覆により界面準位密度が低下したと考えられる.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 SWCNT/BNNTとSWCNTのAFM像.



図2 (a)SWCNT/BNNTとSWCNTをチャネルとしたバックゲートFETの伝達特性.(b)SWCNT/BNNTとSWCNTのバックゲートFETのSS.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 杉原 他,第64回フラーレン・ナノチューブ・グラフェン総合シンポジウム,2023年3月.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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