利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0272

利用課題名 / Title

永久磁石の微細構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

磁性材料,永久磁石,分析試料作成,集束イオンビーム/Focused ion beam,セラミックスデバイス/ Ceramic device,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

川田 常弘

所属名 / Affiliation

株式会社プロテリアル

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

村上善樹

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

森田真理

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-152:CADデータ連動3次元機能融合デバイス評価用前処理システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

Ferrite系磁石に代表される硬質磁性材料は永久磁石として利用されており,電気モーター等の性能向上のために硬質磁性材料の高保磁力化が求められている.先行研究により,合成時の組成の変更による主相の改質に加え,粒界相などの微細組織が磁壁の運動を阻害することで保磁力の向上に大きく寄与していると考えられている.したがって永久磁石中の結晶構造・微細組織と,それらに依存する磁気構造の詳細な観察・解析は保磁力発現機構の解明に不可欠である.Ferrite系磁石の局所領域におけるSTEMを用いた微細組織と磁気構造の複合解析を行うため,本研究では複合観察に適したSTEM観察用試料の作成を行った.

実験 / Experimental

磁場中焼結による粒配向と追加熱処理による結晶粒の粗大化促進を施したSr系Ferrite磁石試料を用意した.化学研磨による鏡面出しののち,SEM-EBSD観察によって粗大粒とその方位を特定した.このバルクに対してCADデータ連動3次元機能融合デバイス評価用前処理システムXVision200TBを用いたTEM試料作製を行った.まず,事前に観察した粗大粒の位置をバンドコントラスト像で探した.次いで,位置が判明した粗大粒から薄片を摘出し,メッシュに接着した.その後,はじめに5度程度の試料傾斜をつけて面内方向にイオンビームを当て,徐々に傾斜角度を小さくすることで,広範囲でTEM観察が可能な薄片試料を作製した.表面のダメージ層を除去するため,表裏それぞれ90秒程度のArイオン研磨による仕上げを行った. 作成した試料においてDPC STEM法による磁区観察,磁壁幅計測を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

DPC STEM法による低倍率磁区観察では,作成した試料はおよそ5 µm程度の広範囲でTEM観察可能な厚さとなっており,幅1 µm程度の180度磁区が帯状に存在することが確認できた.一方で,高倍率での磁壁幅計測には十分な信号ノイズ比を得られなかった.他の作製法による試料と比べると試料厚に対して磁場の信号が小さく,強磁性ではないダメージ層が表面に存在することが示唆された.このため,ダメージ層除去を目的としたArイオン研磨による仕上げの手法,照射時間についてはさらなる検討の必要がある.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究はARIM解析部門の森田真理様の技術支援を受けて行いました.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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