利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0244

利用課題名 / Title

フッ化物イオン伝導体の構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

蓄電関連材料, フッ化物イオン電池, X線回折,X線回折/X-ray diffraction,二次電池/ Secondary battery


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

川原  一晃

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-203:粉末X線回折装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

フッ化物イオン電池はエネルギー密度、安全性でリチウムイオン電池を凌駕すると期待されている次世代蓄電池である。現在、フッ化物イオン電池の電解質にはLa0.9Ba0.1F2.9固体電解質(LBF)が主に使用されている。しかし、電解質の室温における低いフッ化物イオン伝導度(< 10-6 S/cm)に由来する課題があり、新規フッ化物イオン伝導体の開発が望まれている。本研究では、LBFのBaをSrに置換したフッ化物イオン伝導体(La0.9Ba0.1-xSrxF2.9, x=0, 0.01, 0.025, 0.05, 0.1)を合成した。合成した試料の構造解析のため、東京大学の設備を利用して粉末XRD測定を行った。

実験 / Experimental

硝酸ランタン、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウムの混合溶液にフッ化アンモニウム溶液を滴下することで、La0.9Ba0.1-xSrxF2.9を沈殿として得た。Rigaku社製の粉末X線回折装置SmartLab (3kW)を用いてLa0.9Ba0.1-xSrxF2.9のXRDパターンを取得した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1にLa0.9Ba0.1-xSrxF2.9(x=0, 0.01, 0.025, 0.05, 0.1)のXRDパターンを示す。結晶構造はxの値によらず、タイソナイト構造(空間群:P-3c1)であることがわかった。Sr濃度が大きくなるにしたがって、ピークが高角度側にシフトしていることがわかる。これはBaをSrに置換することで格子定数が小さくなっていることを意味する。BaをすべてSrに置換したLa0.9Sr0.1F2.9の単位胞の体積はLBFの単位胞の体積に比べて1%小さくなっていることが分かった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


La0.9Ba0.1-xSrxF2.9のXRDパターン


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業(JPNP21006)により実施された。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Kazuaki Kawahara, Atomic-resolution STEM image denoising by total variation regularization, Microscopy, 71, 302-310(2022).
    DOI: 10.1093/jmicro/dfac032
  2. Kazuaki Kawahara, Fluoride Ion Conductivity of Rb Doped KSbF4, Journal of The Electrochemical Society, , (2023).
    DOI: 10.1149/1945-7111/acbca5
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 川原一晃, 石川亮, 佐々野駿, 柴田直哉, 幾原雄一, "Total variation正則化を用いた原子分解能STEM像のノイズ除去", 日本顕微鏡学会 第78回学術講演会, 2022/05/12
  2. K. Kawahara, R. Ishikawa, N. Shibata, Y. Ikuhara, "Fluoride ion conductivity of Cs-doped KSbF4", 23rd International Conference on Solid State Ionics, 2022/07/18
  3. 川原一晃, 石川亮, 柴田直哉, 幾原雄一, "Cs添加KSbF4のフッ化物イオン伝導", 第63回電池討論会, 2022/11/09
  4. 川原一晃, 石川亮, 佐々野駿, 柴田直哉, 幾原雄一, "LaF3を基にしたフッ化物イオン伝導体の開発", 日本セラミックス協会 2023年年会, 2023/03/10
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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