【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0209
利用課題名 / Title
塗布成膜有機/無機半導体の構造制御
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
太陽電池,電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,高品質プロセス材料/ High quality process materials,ナノ粒子/ Nanoparticles
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
辻 佳子
所属名 / Affiliation
東京大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
黒澤 千鶴,林 文暉
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-202:高輝度In-plane型X線回折装置
UT-855:高精細電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
有機無機ハイブリッドペロブスカイト結晶を活性層に用いた太陽電池(PSC)は溶液プロセスを用いた低コストかつ大面積化が可能な高効率太陽電池として注目を集めている。薄膜成膜方法の一つに霧化成膜法がある。PSCの積層構造において、透明導電膜SnO2および電子輸送層の構造制御は可能であるものの、今までペロブスカイト活性層の成膜にはスピンコート成膜でのみ検討されており[1]、roll to rollプロセスのような連続プロセスが成立しない大きな課題となっている。本研究では、分解温度が比較的高いCsPbI3を超音波霧化成膜によって、モフォロジーが優れており、かつ、Cubic構造を有する膜を成膜することを目的とした。
実験 / Experimental
表面エネルギーおよび結晶構造の異なる基板として、熱酸化膜付きSi基板、基板温度をパラメーターに霧化成膜した透明導電膜SnO2膜付基板、ルチル構造を有する霧化成膜したTiO2膜付基板を準備した。成膜したSnO2膜は基板温度により、非晶質、微結晶、多結晶膜へと構造変化した。
CsIとPbI2をモル比1:1でDMFに溶解し、0.1M前駆体溶液を調製した。この溶液を前駆体溶液として、上記基板上に基板温度を400℃で霧化成膜した。作製した薄膜の膜厚及び表面モフォロジーは走査型電子顕微鏡観察により評価した。また、構造はX線回折装置により評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
実験に用いた下地にかかわらず、得られた膜の構造は、すべてγ構造のCsPbI3となり、ペロブスカイト構造を得ることができなかった。そこで、CsIとPbI2をモル比1:1でDMFに溶解した0.1M前駆体溶液から析出ささた粉末を真空雰囲気中で加熱した際の相変化を確認したところ、析出粉末はδ構造を有し、350℃でcubic構造、すなわち所望するペロブスカイト構造となった。しかし、加熱を止めて冷却過程では、220℃でβ構造に相変化し、室温ではδ構造となった。すなわち、薄膜構造がγ構造となったのは、成膜後の冷却過程にあることが推察される。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
[1] Bull. Chem. Soc. Jpn. 2019, 92, 1972–1979.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件