【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.12】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0190
利用課題名 / Title
Pd@MFIゼオライトの表面分析
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子分光,ナノ多孔体/ Nanoporuous material,メソポーラス材料/ Mesoporous material
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
吉田 悠希
所属名 / Affiliation
東京大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
竹本 晶紀,Li Duanxing
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ZSM-5もしくはSilicalite-1にパラジウムを含侵法及び直接合成法を用いて、担持させた。パラジウム金属種がゼオライトの細孔内に存在するのかもしくはゼオライト表面に凝集しているのかどうかを確かめるために、XPSを用いてZSM-5もしくはSilicalite-1の表面分析を行った。
実験 / Experimental
1.1.
ZSM-5の合成
水、水酸化ナトリウム水溶液 (50 wt%,
Wako)、水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液 (40 wt%, Merck)、水酸化アルミニウム (100 %, Wako)の混合液を10分間攪拌した。その後、コロイダルシリカ (Ludox AS-40, 40
wt%, Aldrich)を加え、さらに30分間攪拌した。最終的な原料混合液の組成は 300SO2:
Al2O3: 50NaOH: 20 TPAOH: 2300H2Oである。この原料混合液をオートクレーブを用いて150 ℃で5時間加熱した。得られたサンプルは洗浄したのち、80 ℃オーブンを用いて乾燥させた。乾燥後のサンプルを550 ℃、6時間の条件下で焼成した。
1.2.
Pd/ZSM-5の調製
水0.51 g、エチレンジアミン(99 %, Wako) 0.047 g、PdCl2 (99 %,
Wako) 0.005 gを混合し、PdCl2を溶解させた。以上の溶液と3.1. で得られたZSM-5を0.497g混合し、室温下、300 rpmで水が蒸発するまで攪拌した。その後、80℃オーブンを用いて乾燥させた。乾燥後のサンプルを550℃、6時間の条件下で焼成した。
1.3.
Normal
Pd@Silicalite1の合成
水、水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS, 95%, Wako)の混合液を6時間攪拌した後、溶液3を加えた。最終的な原料混合液の組成は 300SiO2: 83TPAOH: 13800H2O: 1.45[Pd(NH2)2(CH2)2]Cl2であった。この原料混合液をオートクレーブを用いて170 ℃で3日間加熱した。得られたサンプルは洗浄したのち、80 ℃オーブンを用いて乾燥させた。乾燥後のサンプルを550 °C、6時間の条件下で焼成した。
結果と考察 / Results and Discussion
含侵法で調製したPd/ZSM-5の粒子表面のSi/Pd比は290と比較的小さく、Pd種が外表面に存在していた。一方、170 °C、3日間の合成条件で直接合成したnormal Pd@S1では全体のSi/Pd比が270に対し、粒子表面のSi/Pd比が非常に大きいため、外表面にはパラジウム種の存在量が少ないことが分かった。また、図2にPd3dスペクトルを示す。Pd/ZSM-5では335 eV付近に3d5/2の電子軌道から放出された光電子ピークトップが存在しているが、直接合成法で合成したnormal Pd@S1ではピークシフトが観測された。これは、Pd/ZSM-5では外表面にPd単体がある程度存在していることに対し、normal Pd@S1ではPd種が主にPdOとして存在しているためだと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 Normal Pd@S1、Pd/ZSM-5のXPSによるPd3dの光電子スペクトル
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件