利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0189

利用課題名 / Title

フェノール性高分子エマルジョン粒子の観察

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

接着剤,エマルジョン,ポリ酢酸ビニル,形状・形態観察,電子顕微鏡/Electron microscopy,核磁気共鳴/Nuclear magnetic resonance,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,高強度・生分解性プラスチック/ High-strength, biodegradable plastic


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

林  洸樹

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

寺西亮佑

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-011:有機材料ハイコントラスト透過型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 ガロール基を有する化合物は先行研究において優れた接着特性を示した.この先行研究では常温で固体の接着性ポリマーを有機溶媒に溶解させ液状接着剤とした.しかし,海洋中や生体内で有機溶媒を含む接着剤を使用する場合,環境や生体への悪影響が懸念される.そのため,有機溶媒を用いない強力な水中接着剤の開発が期待される.
 そこで本研究では,優れた接着特性を示したガロール基を含む,水性のエマルジョン接着剤を合成することを目標とした.エマルジョン接着剤の合成にはエマルジョン重合が必要であることから,先行研究や市販品に近い形状のエマルジョンの作成を目指す必要がある.そのため,市販品のエマルジョン接着剤での原料の1つである酢酸ビニルモノマーを用い重合を行い,その形状を東京大学の設備を利用してTEM観察を行った.

実験 / Experimental

 特許を参考に合成したポリ酢酸ビニルを主成分とするエマルジョン,及び市販のエマルジョン接着剤を水で1000倍に希釈した.200メッシュCuグリッド(JEOL,783129017)を親水化処理し,希釈したエマルジョンを滴下し,乾燥させてTEM試料を作製した.作製した試料を加速電圧120kVとした有機材料ハイコントラスト電子顕微鏡(JEM-1400)で観察した.

結果と考察 / Results and Discussion

 合成したエマルジョン,市販のエマルジョン接着剤のTEM画像をそれぞれFig.1,Fig.2に示した.合成したエマルジョンは市販の接着剤のエマルジョン粒子と同様に球状であることが確認された.一方で,合成したエマルジョン粒子は市販の接着剤のエマルジョン粒子と比較して径が小さくなったことが確認された.エマルジョン重合時のフラスコ攪拌速度が大きいために合成したエマルジョン粒子の径が小さくなったと考えられる.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 合成したエマルジョンのTEM像



Fig. 2 市販のエマルジョン接着剤のTEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

 参考文献を以下に示す. 
1)    Jinhong Yu, et al. J. Mater. Chem. B., 8, 6798 (2020)
2)    コニシ株式会社.吉川洋明,山崎一昭,永沢滋,竹下裕子,山本広記,小手和洋,日暮正美.木工用接着剤の製造方法.特開2005−163051. 
 また,試料の調整法や機器の使用方法など,懇切丁寧に技術指導してくださった寺西亮佑さんに感謝します.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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