利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0182

利用課題名 / Title

高エネルギー密度を有する新規電極材料の開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

エネルギー関連材料,蓄電関連材料,金属間化合物,X線回折/X-ray diffraction,二次電池/ Secondary battery,全固体電池/ All-solid battery,エネルギー貯蔵/ Energy storage,電極材料/ Electrode material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

佐々野  駿

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

府川 和弘,飯盛 桂子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-203:粉末X線回折装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 近年,電気自動車への本格的な移行に向け,二次電池の高エネルギー密度化が重要な課題である.フッ化物イオン電池は,現行のリチウムイオン電池と比較して約5倍高い理論エネルギー密度を示すため,次世代二次電池の有力な候補である[1].一方,純金属を用いた従来の活物質では,活物質内部までフッ化が進行せず,可逆容量が100 mAh g-1に満たないのが現状である[2].本研究では高容量新規活物質の開発を目的とし,La基合金の作製・結晶構造の同定を行った.

実験 / Experimental

 原料試薬を所定のモル比となるように秤量し,アーク溶解法によりLa基合金を作製した.得られた合金試料を石英管に真空封入し,管状炉により950℃・2週間の条件で熱処理を施した.熱処理前および熱処理後の試料を細かく粉砕し,粉末X線回折装置SmartLab(3kW)(リガク)を用いて結晶構造の同定を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

 熱処理前においては所望のLa基合金の結晶構造に帰属するパターンに加えて,第2相の形成を示唆するピークが数多く観察された.アーク溶解のみの試料では金属元素の分布が不均一であり,混相になったと考えられる.これに対して,熱処理後の試料においては第2相のピーク強度が大幅に減少しており,真空熱処理によってほぼ単相のLa基合金を得られたことが示唆された.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

【謝辞】
 この成果は,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業(JPNP21006)の結果得られたものです.
【参考文献】
  [1] M. Anji Reddy et al., J. Mater. Chem. (2011). [2] C. Rongeat et al., J. Mater. Chem. A (2014).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Shun Sasano, Formation of La-rich tysonite nano-precipitates in fluorite Ba0.6La0.4F2.4, Journal of Power Sources, 557, 232581(2023).
    DOI: 10.1016/j.jpowsour.2022.232581
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. [1] Shun Sasano, Ryo Ishikawa, Kazuaki Kawahara, Atsushi Mineshige, Naoya Shibata, and Yuichi Ikuhara, “Nano-scale two-phase separation in Ba0.6La0.4F2.4 solid-state electrolyte” SSI-23, July 19, 2022.
  2. [2] 佐々野駿,石川亮,川原一晃,柴田直哉,幾原雄一,“フッ化物イオン電池用正極材料LaCu5の充放電特性およびフッ化・脱フッ化機構”公益社団法人日本セラミックス協会 第35回秋季シンポジウム,令和4年9月15日.
  3. [3] 佐々野駿,石川亮,川原一晃,嶺重温,柴田直哉,幾原雄一,“Ba0.6La0.4F2.4固体電解質における微細構造解析および化学分析”第63回電池討論会,令和4年11月9日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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