利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0169

利用課題名 / Title

低熱伝導率Si熱電材料の開発

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

Si熱電材,電子顕微鏡/Electron microscopy,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,イオンミリング/Ion milling,X線回折/X-ray diffraction,熱電材料/ Thermoelectric material,IoTセンサ/ IoT sensor


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

永廣 怜平

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

許斌

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

府川和弘,飯盛桂子,福川昌宏,戸田亮

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-203:粉末X線回折装置
UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡
UT-858:電子顕微鏡
UT-304:極限環境下電磁物性計測装置
UT-103:高分解能走査型電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

熱電材料の開発においては,材料の熱伝導率および電気特性の理解が重要である.それらの物性はそれぞれ,構造とキャリア密度が支配的な要因となる.そこで,本研究で作製した低熱伝導率シリコン熱電材料について構造解析(XRD,SEM/EBSD)およびホール測定を行うために,東京大学マテリアル先端リーサーチインフラ微細構造解析部門及び低温科学研究センターを主に利用した.

実験 / Experimental

構造解析では焼結により作製した熱伝導率が低・中・大の3つのバルク試料について,粉末X線回折装置(SmartLab(3 kW,リガク製)を用いての粒径観察を行った.測定は一般的な集中法で行い,得られた回折ピークについて,Williamson–Hall解析により結晶子サイズおよび内部歪の解析を行った(詳細は参考文献を参照[1]).さらに,試料内の結晶子について空間的な結晶情報を得るために高精細電子顕微鏡(JSM-7000F,JEOL Ltd.)を用いてSEM/EBSDを行った.また,SEM/EBSD観察の前には,研磨による残留応力等を除去するためにCP加工を行い観察面を処理した. また,試料のキャリア濃度をPPMS(Quantum Design)で測定を行った.焼結試料は標準的なホールバー形状にに加工し,真空蒸着によりNi/Auで200nm程度の電極を作成したのち,0.02㎜のAu線とAu導電ペーストで配線した.なお,試料の厚さは~1㎜以下とした.測定の際は室温条件で―5Tから5Tの磁場をかけ,定常電流を印加することで測定を行った.

結果と考察 / Results and Discussion

SEM/EBSDにより得られた結果を図1に示す.焼結前のシリコン粉末の粒径は10nm程度であり,焼結により粒成長が起こる.XRDから得られた結晶子サイズは低熱伝導率から順に59nm,63.4nm,268nmであったが,SEM像から得られる結晶粒サイズとは異なった.特に熱伝導率が中のサンプルでは,Fig.1(e)に示されるように,一つの結晶粒の中に二つの結晶粒が見られた.ただし,今回の測定では結晶子のスケールが数十nm程度と小さく装置の分解の観点からすべてをマッピングできたわけではない.また,ホール測定については,低熱伝導率のサンプルについては粒子間の界面形成は十分に接合しておらず,測定ができなかった.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1 SEM/EBSD images of sintered samples. (a), (b), and (c) display the SEM images of bulk samples with low, medium, and high thermal conductivity, respectively. (d), (e), and (f) show the corresponding EBSD images obtained from (a), (b), and (c) in the SEM images.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献 1. G.K Williamson, W.H Hall, Acta Metallurgica, 1 (1), (1953), 22-31


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 許斌,永廣怜平,大西正人,塩見淳一郎,“高速焼結による高性能ナノ結晶シリコン熱電材料の作製”,秋期応用物理学会講演発表, 令和4年9月22日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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