利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0093

利用課題名 / Title

研削・研磨後の被加工物の表面状態解析

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

研削,研磨


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

横尾 晋

所属名 / Affiliation

株式会社ディスコ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-301:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)
UT-303:分光エリプソメータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

研削・研磨加工後の被加工物の表面状態を解析することにより、最適な研削・研磨加工方法・条件を明らかにする。

実験 / Experimental

研削・研磨の加工方法・条件を変更した試料を作製し、それらの表面状態をX線光電子分光法や分光エリプソメトリーで解析した。

結果と考察 / Results and Discussion

X線光電子分光法は、試料にX線を入射し、発生した光電子のエネルギーを分光することにより、最表面の組成や化学結合状態について調べることができる手法である。この方法で、研削・研磨加工後の最表面の組成および状態を分析した。その結果、加工条件によって組成比や化学状態が変化することを確認することができた。また、Arスパッタを併用することにより、X線光電子分光法で深さ方向の分析をすることもできる。これにより、加工条件によって最表面だけでなく、深さ方向の組成および状態分析も変化していくことが分かった。分光エリプソメータは、主に反射光のp成分とs成分の相対的な変化、特に強度と位相差に着目して、その光が入射した試料の層構造を解析する手法である。分光することにより、単色レーザでは分からない光学定数の波長依存性が分かり、そこからバンド構造やキャリア移動度・密度、格子振動や局所原子構造などが分かる場合もある。膜厚測定については、同様の測定手法として比較される反射分光に対して、数nm~数10nmなどの比較的薄い膜厚でも正確に測定できるメリットがあり、特に紫外領域まで分光測定することにより、それが可能になるケースが多い。また、同程度の薄膜ではX線反射率法もあるが、それに比べて短時間で測定でき、また、測定スポットも数mm程度と小さいなどのメリットもある。他方、その解析の複雑さ・難しさや結果の妥当性の検証のため、2層構造や界面層を仮定しないでもフィッティングが合う場合などの単純な系でないと、間違いのない結論を導きにくい面もあるので、注意が必要である。本年度も昨年度に引き続き、熱酸化膜付きSiウェーハを用いて、その熱酸化膜の加工レートおよび面内分布を測定した。東京大学の微細構造解析プラットフォームに導入されている分光エリプソメータは、300mmウェーハを載せることができる自動ステージが装備されているため、面内分布測定が容易である。手順としては、適当な数点で詳細に測定条件(入射光角度、測定時間など)や解析条件(解析の際の試料のモデル、解析波長範囲など)を検討した上で、なるべく1点当たりの測定時間を減らして測定した。結果、研削・研磨加工の前後での熱酸化膜の膜厚の変化が、ウェーハ内での分布まで含めて正確にかつ容易に測定でき、弊社内で新規に開発している加工方法について様々な知見を得ることができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

日頃から装置を管理し、使用マニュアルなども整理して使用者が実験に集中できるように環境を整えて下さっている、X線光電子分光装置と分光エリプソメータの管理者である沖津康平様と小西邦昭様にこの場を借りて御礼申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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