【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.23】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22UT0046
利用課題名 / Title
ペロブスカイト多結晶薄膜の微細構造の観察
利用した実施機関 / Support Institute
東京大学 / Tokyo Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,ナノエレクトロニクスデバイス/ Nanoelectronics device,太陽電池/ Solar cell
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
柴山 直之
所属名 / Affiliation
桐蔭横浜大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
山宮実和子,齋藤直
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
福川昌宏,近藤尭之,沖津康平
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
UT-101:低損傷走査型分析電子顕微鏡
UT-102:高分解能走査型分析電子顕微鏡
UT-301:多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)
UT-202:高輝度In-plane型X線回折装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ペロブスカイト太陽電池は、無機材料にもかかわらず材料が有機溶媒に溶けてインクのように扱えるため、印刷や塗布で作製できるという製造面での大きな特徴がある。このため、従来のシリコン太陽電池に比べて、はるかに安価に大量生産が可能となると期待され、次世代太陽電池の有力な候補として世界中で研究が盛んに行われている。現在は、変換効率26%を超える報告されるようになったものの、製膜条件により、発電効率がばらつくことため、再現性が悪いことが問題になっている。 この光電変換効率の再現性を高めるために、平坦なペロブスカイト多結晶膜を作製することを目指して、作製条件を最適化する研究が進められてきた。本機器利用では、ペロブスカイト多結晶膜の表面構造や断面構造を走査型電子顕微鏡により調査した。また、X線光電子分光装置を用いてペロブスカイト多結晶薄膜を構成する元素を調査した。
実験 / Experimental
今回の機器利用では下記の装置を用いてペロブスカイト結晶層を分析した。・高分解能走査型分析電子顕微鏡(JSM-7800 Prime)・低損傷走査型分析電子顕微鏡(JSM-7500FA)・多機能走査型X線光電子分光分析装置(XPS)PHI 5000 VersaProbe(ULVAC-PHI) 測定に用いた有機無機鉛ペロブスカイト多結晶薄膜は参考文献1を参照して作製した。DMF/DMSO混合溶媒にPbI2、CsI、CH3NH3I (MAI)、Formamidine Hydroiodide (FAI)を混合して、1時間撹拌することでペロブスカイト前駆体溶液として1.3 mol/LのCs0.05FA0.825MA0.125PbI3溶液を得た。次に、スピンコート法を用いてITOガラス上にペロブスカイト前駆体溶液を塗布し、10秒間1000 rpm でプレ回転させた後、30秒間 5000 rpmで成膜した。その後、100度で30分間焼成することでITO基板上にペロブスカイト多結晶薄膜を得た。
結果と考察 / Results and Discussion
ペロブスカイト太陽電池に用いるペロブスカイト結晶層の断面構造をFigure 1に示す。断面SEMの結果からITO基板上に膜厚が約500 nmのペロブスカイト多結晶を形成できていることが確認できた。また、このペロブスカイト結晶層の中には結晶粒界が存在していることが確認できた。これらの結果を得たことにより、ペロブスカイト結晶層の作製条件の最適化に取り組んでいる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
ペロブスカイト結晶の断面構造
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献1 H. Kanda. et al., Energy Environ. Sci., 2020, 13, 1222.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件