【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22IT0055
利用課題名 / Title
新規量子アンチドットデバイスの作製
利用した実施機関 / Support Institute
東京工業大学 / Tokyo Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
量子ホール効果, 量子アンチドット, リソグラフィ・露光・描画装置
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
秦 徳郎
所属名 / Affiliation
東京工業大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
梅本高明
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
IT-001:電子ビーム露光装置
IT-037:クリーンルーム付帯設備一式
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
昨年度、二重量子アンチドット系の実現に成功したものの、作製したブリッジ構造が、その後のフォトリソグラフィの段階で歪んでしまう問題が生じていた。将来的に直径100 nm程度の極小の量子アンチドットを形成するには、この問題は解決すべきである。そこで、フォトリソグラフィで使うレジストの種類を変更することでこの問題の解決を試みた。
実験 / Experimental
AlGaAs/GaAs半導体ヘテロ構造基板上に、プラットフォームの電子ビーム露光によりレジストパターンを形成し、金属薄膜(Ti/Au)を蒸着することにより、幅300 nm、長さ3 mmのブリッジ構造と直径300 nmのピラーゲートを持つゲート電極を作製した [Fig.1(a)]。その後、 (1)PMGIおよびポジレジストを使用した場合、(2)ネガレジストを使用した二つの場合でフォトリソグラフィを行い、再度ブリッジ構造を走査電子顕微鏡で観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
PMGIおよびポジレジストを使用してフォトリソグラフィをすると、ブリッジ構造が歪むことが分かった[Fig. 1(b)]。PMGIをベークするときに、ブリッジ構造に下に大きな力が働いたためだと考えられる。一方で、ネガレジストを使用した場合には歪みは生じなかった[Fig. 1(c)]。本結果は、量子アンチドットを形成するためのブリッジ構造ゲート電極を歩留まり良く作製するのに重要な知見となる。現在、直径100 nmのピラーゲートを持つブリッジ構造を持つゲート電極を高い歩留まりで作製することに成功している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1(a) Schematic view of our airbridge gate. (b)(c) SEM image of a 60º -tilt view of an airbridge gates after photolithography with PMGI/positive resist and negative resist, respectively.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・本研究は、科研費(JP19H05603、JP19K14630)の支援を受けた。
・共同研究者:秋保貴史氏・村木康二氏(NTT物性基礎研)、技術支援者:梅本高明氏(東工大)に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- ・T. Hata“Tunable tunnel-coupling in a double quantum antidot with cotunneling via a localized state“ The 11th Workshop on Semiconductor/Superconductor Quantum Coherence Effect and Quantum Information (淡路夢舞台、2022年2月) (口頭発表)
- ・T. Hata, K. Sada, T. Uchino, T. Akiho, K. Muraki, and T. Fujisawa "Tunable tunnel-coupling in a double quantum antidot with cotunneling via a localized state" ICPS 2022 – International Conference on the Physics of Semiconductors 2022, Sydney, Australia, June. 2022. (ポスター発表)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件