利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0019

利用課題名 / Title

含フッ素化合物の合成と自己組織化制御

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,DDSマテリアル/ DDS material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

木幡 愛

所属名 / Affiliation

東京大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

杦山真史,門田晃司,伊藤悠貴,奥田瑞来,成田美菜子,平山愛梨

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

木村鮎美,寺西亮佑

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-010:クライオ透過型/透過走査型電子顕微鏡
UT-011:有機材料ハイコントラスト透過型電子顕微鏡
UT-201:無機微小結晶構造解析装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々はフッ素原子が導入された有機分子に着目し研究を行っている。フッ素原子の導入方法として通常は取り扱いが困難であるフッ素ガスを用いることで、既存の手法では合成が困難である機能性有機分子を創出しその新たな機能に迫ることを目的としている。
また、我々はさまざまな含フッ素生体高分子を合成し、フッ素性官能基の分子構造と細胞膜透過性の関係を調べている。

実験 / Experimental

合成した含フッ素化合物の構造を同定のため、単結晶X線構造解析を行った。また、透過型電子顕微鏡でペルフルオロ構造を有する生体高分子の水中での凝集状態について観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

世界で初めて、全ての頂点にフッ素原子が結合した立方体型分子「全フッ素化キュバン」の合成に成功した。得られた全フッ素化キュバンの構造をX線結晶構造解析によって同定した。さらに、この全フッ素化キュバンの内部に電子を閉じ込めることにも成功した。
高度にフッ素化された化合物は疎水的かつ疎油的であるといったユニークな性質を持つため、ペルフルオロ構造を有するペプチドや核酸は未修飾のものと比較して高い細胞膜透過性を示した。高い膜透過性の理由として、我々は含フッ素生体高分子が水中において凝集体を形成しているためであると考えており、この分子の凝集状態を動的光散乱法と透過型電子顕微鏡によって確認した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Masafumi Sugiyama, Electron in a cube: Synthesis and characterization of perfluorocubane as an electron acceptor, Science, 377, 756-759(2022).
    DOI: 10.1126/science.abq0516
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 伊藤悠貴・相川光介・野崎京子・岡添隆「脱保護容易な置換基を有するNFSI誘導体を用いたアルケンの触媒的アミノフッ素化反応」第38回有機合成化学セミナー 2022/9/28-30 (ポスター)
  2. 門田晃司・三上峻輝・木幡愛・相川光介・森本淳平・山東信介・岡添隆「高度にフッ素化された官能基を持つ細胞膜透過性ペプチド(CPP)」第59回ペプチド討論会 2022/10/26-28 (ポスター)
  3. 伊藤悠貴・相川光介・野崎京子・岡添隆「脱保護容易な置換基を有するNFSI誘導体を用いたアルケンの触媒的アミノフッ素化反応」第45回フッ素化学討論会 2022/11/01-02(ポスター)
  4. 木幡愛・影山泰一・渡邊ほの香・相川光介・森廣邦彦・岡本晃充・岡添隆 「核酸の細胞内送達を可能にする含フッ素修飾剤」第45回フッ素化学討論会 2022/11/01-02(ポスター)
  5. 門田晃司・三上峻輝・木幡愛・相川光介・森本淳平・山東信介・岡添隆 「ペルフルオロアルキル基の細胞膜透過性ペプチド(CPP)への効果」 第45回フッ素化学討論会 2022/11/01-02(口頭)
  6. 木幡愛・影山泰一・渡邊ほの香・相川光介・森廣邦彦・岡本晃充・岡添隆 「Fluorinated DNAs for enhancing the cell permeability」第49回国際核酸化学シンポジウム/日本核酸化学会第6回年会 2022/11/02-04(ポスター)
  7. 木幡愛・鏡有沙・影山泰一・渡邊ほの香・相川光介・森廣邦彦・岡本晃充・岡添隆 「核酸の高効率な細胞内送達を可能にする含フッ素修飾剤」日本化学会第103春季年会 2023/03/22-25(ポスター)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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