利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT0005

利用課題名 / Title

熱電変換材料の物性評価

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

熱電材料/ Thermoelectric material,コンポジット材料/ Composite material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

並木  宏允

所属名 / Affiliation

地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-304:極限環境下電磁物性計測装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

熱電変換材料は、温度差によって起電力が生じるゼーベック効果を利用して電力を生み出すエネルギー変換材料である。その発電の原理上、化学反応を伴わないため有害ガスが生じず、またデバイスに機械部分を含まないため長寿命であるという利点を持つ。これらの利点から古くから排熱発電を目的として研究開発が行われてきた。近年では身体や環境からの熱を利用することでウェアラブルデバイスやIoTセンサの自立電源の候補としても注目されている。本研究では、コドープしたAg6Ge10P12および異種無機化合物と複合化させたBi2Te3系熱電材料を対象とした。

実験 / Experimental

熱電特性の評価のために、Quantum Design社製Physical Properties Measurement System (PPMS)を機器利用した。合成した試料に対して4端子法による電極付けを行い、PPMSのThermal Transport Option (TTO)を用いて電気抵抗率、ゼーベック係数を評価した。熱伝導率は別途熱拡散率、密度、比熱から求め、無次元性能指数ZTを算出した。また、直流抵抗パックを用いて、室温におけるホール効果測定からキャリア密度を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

CuとGaをコドーピングしたAg6Ge10P12では、ホールドープに起因したキャリア密度の増加による電気抵抗率の低減とフォノン散乱の増強による熱伝導率の低減を同時に達成し、ZTを向上させることに成功した。
異種無機化合物と複合化させたBi2Te3系熱電材料では、ゼーベック係数の向上が確認された。キャリア密度に対するゼーベック係数をフィッティングすることで得られる状態密度有効質量が複合化により上昇していることから、このゼーベック係数の向上は複合化界面で生じるエネルギーフィルタリング効果に起因していると考えられる。加えて複合化による熱伝導率の低減も実現でき、ZTを向上させることに成功した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

なし。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 並木宏允、小林真大、永田晃基、齋藤庸賀、立花直樹、太田優一、”リン化物熱電材料Ag6Ge10P12の状態密度有効質量とキャリア密度の関係”、2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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