利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1324

利用課題名 / Title

二次元ナノ材料に対する局所機械的特性評価方法の開発

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

二次元材料,機械的特性,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,原子層薄膜/ Atomic layer thin film,ナノシート/ Nanosheet


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

平方 寛之

所属名 / Affiliation

京都大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

七野 誠哉,髙橋 拓眞,片山 晴太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

井上 良幸

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-322:超微小材料機械変形評価装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

面外方向の寸法が究極に小さい二次元材料において,強誘電性や電気-機械マルチフィジックス特性の存在が報告されており,局所力学場を付加することで二次元材料の強誘電性を創出・制御できる可能性がある.本研究では,局所力学場の有力な制御方法として,電極基板上の二次元材料に対する圧子押込みによるき裂の生成・制御方法を考案した.本手法をAu電極基板上の厚さが10 nmオーダーのMoS2に適用して,その有効性を検討した.その結果,押込みによって,圧痕中心から稜線に沿った3本の半径方向き裂を生成・進展・停止することができた.き裂の開口は,Au基板の塑性変形(くぼみやパイルアップ)により,MoS2が面外に変形したことで維持された.また,生成したき裂の長さと開口量は押込み深さに依存することを明らかにした.本手法は,電極上の二次元材料に対するき裂の生成と制御を可能にするものであり,さらに発展させることで,局所力学場制御による二次元ナノ強誘電体の創出と制御への応用が期待できる.

実験 / Experimental

供試材は,2H相MoS2結晶(2D Semiconductors社製)である.電極基板には,鏡面研磨されたSi(100)基板にAuをスパッタリング法により製膜したものを用いた.二次元材料への圧子押込み試験には,KT-322:超微小押込み硬さ試験機(エリオニクス社製,ENT-2100)を用いた.Fig.1は試験片のAFM像を示す.

結果と考察 / Results and Discussion

MoS2に対する押込み試験におけるP-h曲線と試験後のSEM像をFig. 2とFig. 3に示す.圧痕中心から稜線に沿った3本の半径方向のき裂が生成した.P-h曲線において,変位が40 nm付近でポップインが発生した.このポップインの時点で半径方向のき裂が生成したと考えられる.押込み深さの増大に伴い,き裂長さは単調に増大した.また,除荷後もき裂先端の開口したき裂が生成できた.このとき,押込み深さの増大に伴い,き裂開口量が大きくなった.一方,さらにき裂が進展して,塑性変形のない平坦な領域まで至っている場合は,塑性変形による開口の駆動力がき裂先端にまで及ばないため,閉口した.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 MoS2 specimen on substrate



Fig.2 Loading curve in indentation test



Fig.3 SEM image of generated cracks


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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