利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1254

利用課題名 / Title

カーボンナノチューブ薄膜の基礎物性評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

形状・形態観察,ポリマー分散単層カーボンナノチューブ薄膜,ナノカーボン/ Nano carbon


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

西原 大志

所属名 / Affiliation

京都大学エネルギー理工学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

高倉章

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-333:触針式段差計(加工評価室)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は直径が数ナノメートルのナノ円筒物質である。優れた熱光物性を有しており、それを活かしたデバイス応用の研究が国内外で盛んに行われている。最近、我々は構造が揃ったSWCNTで構成された薄膜を作成し、光学素子応用に不可欠な複素屈折率を決定、報告している(T. Nishihara et al., Nanophotonics 2022)。構造が揃ったSWCNT試料の作製方法は多種報告されており、物性も作製方法で変化することが知られているが、まだ1つの方法の場合しか薄膜の複素屈折率は報告されていない。本研究では、ポリマーで分散した単一構造SWCNT薄膜を作製し、膜厚測定と反射•透過測定を用いて、それらの光学特性を調べた。

実験 / Experimental

シリコン基板にSWCNT薄膜を設置し、触針式段差型を使って、SWCNT薄膜表面とシリコン基板の段差を測定し、薄膜の厚さを評価する。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1aに膜厚測定結果の一つを示す。不純物が原因と思われるスパイクが所々観測されるが、SWCNT薄膜の厚さは約35 nmであることがわかった。Fig. 1bに、膜厚、反射率、透過率測定の実験結果から最終的に得られた複素屈折率スペクトルの虚部を示す。界面活性剤を用いた先行研究(波線、Nishihara et al., Nanophotonics 2022)と比較すると、ピーク型の構造が鋭くなっていることがわかる。さらに、赤外域(低エネルギー域)では虚部がほとんどゼロとなることがわかった。この結果は、ポリマー分散SWCNT薄膜では、赤外域の熱放射が抑えられていることが期待され、効率よく、高エネルギーの熱放射が発生すると考えられる。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 (a) Thickness measurement. (b) The imaginary part of complex refractive index spectra of the polymer dispersed SWCNT membrane (solid curve), comparison with the previous work (broken curve).


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

CREST (JST) 「ナノ物質科学を基盤とするサーモエキシトニクスの創成」(宮内雄平 代表)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. (1) T. Nishihara, ATPC 2022, 2022年9月28日.
  2. (2) T. Nishihara et al., CLEO-PR2022, 2022年8月1日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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