利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1211

利用課題名 / Title

ナノ構造集積MEMSデバイスの研究

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

リソグラフィ・露光・描画装置,電気計測,集積技術,コアシェル半導体,ナノワイヤ,リソグラフィ/Lithography,熱電材料/ Thermoelectric material,3D積層技術/ 3D lamination technology,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

磯野 吉正

所属名 / Affiliation

神戸大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

上杉 晃生,河合 弘武

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

高橋 英樹

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-103:レーザー直接描画装置
KT-110:レジスト現像装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

熱電発電は,工場廃熱などの未利用の熱エネルギーの有効利用が可能なクリーンな発電方法として注目され,近年,低環境負荷な発電材料としてシリコンナノ構造体が注目されている。本研究では,シリコンナノワイヤ(SiNWs)構造の熱電変換効率の向上に向けて,SiNWsを誘電膜で被覆するコアシェル構造化がもたらす界面キャリア密度変化(参考1)に注目し,その影響の解明を目指している。ナノワイヤ構造の熱電特性を詳細に明らかにするため,VLS結晶成長SiNWsを一体化集積可能な計測デバイスを作製し,コアシェル構造体の熱起電力評価を実施した。

実験 / Experimental

京都大学ナノテクノロジーハブ拠点のKT-103で作製したフォトマスクを使用して,SOI小片基板から,薄膜温度センサ,ヒーターを一体化した計測デバイスを作製した。デバイス中央に幅10µm,深さ5µmの微小なトレンチを設け、これまでに開発したSiNWsの垂直成長手法(参考2)により溝側壁から対向面へとSiNWs架橋成長させて,さらに原子層堆積(ALD)を用いてアルミナ膜を被覆したコアシェル構造を形成した。作製したデバイスは,I-V計測によりコアシェルSiNWsの電気伝導性を計測した後に,真空チャンバ内に設置し,集積ヒーターによってSiNWs架橋部の温度差を制御して熱起電力の評価を実施した。図1に計測デバイス概要図と,コアシェル構造化したシリコンナノワイヤの架橋構造のSEM像を示す。

結果と考察 / Results and Discussion

トレンチ内に架橋成長したSiNWsの割合は,触媒金ナノ粒子数に対して約61%と,高収率での形成に成功した。I-V特性計測と熱起電力計測からは,それぞれ抵抗率7.6Ωcm,ゼーベック係数0.6mV/Kが得られた。みかけの不純物濃度とゼーベック係数の関係を,p型シリコンのそれと比較したところ,ナノ構造での傾向と同等の傾向であったが,I-V特性を考慮すると,これを上回りうるものであった。ナノ構造での熱電発電特性の向上が期待され,今後,コアシェル構造化に注目してその影響の解明を進める。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 計測デバイス概要図と,コアシェル構造化したシリコンナノワイヤの架橋構造のSEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献1
A. Uesugi, et al.,
"Anomalous Piezoresistive Changes of Core-Shell Structured SiC Nanowires",
2021 IEEE 34th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), pp. 848-851 (2021)
DOI: 10.1109/MEMS51782.2021.9375210
参考文献2
A. Uesugi, et al.,
“Integration of silicon nanowire bridges in microtrenches with perpendicularbottom-up growth promoted by surface nanoholes”,
Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 61, No. 7 (2022)
DOI: 10.35848/1347-4065/ac50bd


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Akio Uesugi, Evaluation of Thermoelectric Properties of Monolithically-Integrated Core-Shell Si Nanowire Bridges, 2023 IEEE 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), , 701-704(2023).
    DOI: 10.1109/MEMS49605.2023.10052493
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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