利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.21】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1173

利用課題名 / Title

共有結合性有機構造体の結晶性の評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

結晶性,COF(共有結合性有機構造体),蒸着・成膜/Evaporation and Deposition


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

西 直哉

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

松本光平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-117:超臨界洗浄・乾燥装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

膜状の共有結合性有機構造体(COF)は水の浄化膜[1]として応用が期待されている。我々は、イオン液体 (IL) | 有機溶媒 (O) 界面を液液界面反応場とすることにより、結晶性の高いCOF膜を合成できると着想した。合成したCOF膜の微細構造は非常に壊れやすく、乾燥の際に溶媒との間に表面張力が働くと壊れてしまう。そこで表面張力が働かない超臨界流体中で乾燥を行うために今回、ナノハブ拠点の超臨界洗浄・乾燥装置を使用した。

実験 / Experimental

Oとして1,4-dioxaneとmesitylene (体積比4 : 1) の混合液を使用し、COFモノマーとして1,3,5-tris(4-aminophenyl)benzene (TAPB, 12.5 mM)とterephthalaldehyde (PDA, 18.8 mM)を加えた。ILには1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate (C4mimBF4)を用い、酸触媒としてscandium(III) trifluoromethanesulfonate (Sc(OTf)3, 5 mM)を加えた。サンプル管にILを0.3 ml入れ、その上にOを1 ml加え3日間静置しCOF膜を成長させた。合成したCOFを超臨界洗浄・乾燥装置を使用し、乾燥させた。乾燥の際にエタノールを溶媒として用いた。また、乾燥装置内でCOFを固定するためにろ紙を使って作った箱を用意し、その中にCOFを入れ乾燥を行った (Fig. 1) 。乾燥は12MPaで3時間行った。

結果と考察 / Results and Discussion

共有結合性有機構造体(COF)膜を超臨界洗浄・乾燥することにより、厚さ1mmの自立膜が作成できた。イオン液体(IL)と有機溶媒(O)の界面部に形成されたCOF膜をFig.2に示す。この超臨界洗浄を行ったCOF膜は、良好な結晶性を示すことが別途行ったXRD測定によりわかった(課題番号22KT1029)。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1. Box made of filter paper.



Fig.2. COF film formed at the IL|O interface.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:[1] M. Matsumoto et al., Chem, 4, 308–317 (2018).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. (1) 松本、横山、作花、西:「イオン液体|油界面でのCOF膜の合成とその結晶性の評価」、第68回ポーラログラフィーおよび電気化学討論会, 2022.11.11, 京都大学.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る