【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1171
利用課題名 / Title
微細構造面における伝熱に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
表面・界面/ Surface and Interface,熱輸送,電子顕微鏡/Electron microscopy,リソグラフィ/Lithography,EB,3D積層技術/ 3D lamination technology
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
植木 祥高
所属名 / Affiliation
大阪大学 大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
志賀颯,中村海斗
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
井上良幸
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-115:大面積超高速電子ビーム描画装置
KT-107:厚膜フォトレジスト用スピンコーティング装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
KT-116:近接効果補正システム
KT-301:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
凝縮や蒸発など相変化現象を用いた伝熱機器は大量の熱を輸送できるため熱伝達効率が良く,電子機器や空調の冷却などに広く用いられている. このような伝熱機器において相変化現象を制御して熱伝達効率,ひいては冷却効率の改善が可能となり伝熱機器の小型化や高性能化が期待できる.固体面上での相変化現象には,固体表面の構造や濡れ性などの性状が影響を与える事が知られている.しかしながら,現状サブマイクロスケールの秩序的な微細構造を設けた場合は知見が限定的である.そのような背景を受け,サブマイクロスケールの微細構造をSi基板に作製し相変化熱伝達の変化を調べ,熱輸送のメカニズムの解明を目指している.
実験 / Experimental
ネガ型レジストNEB22A2をSiウェハに滴下し,大面積超高速電子ビーム描画装置で露光することで,Siウェハに微細構造を作製した.作製例として,100 nm×100 nm×100 nmのピラーを200 nm間隔にピラーを配置したSi基板が挙げられる(Fig.1).
結果と考察 / Results and Discussion
周期微細構造を表面に付与することで液滴の濡れ性が変化した.加えて,構造面上では蒸発する液滴の形状変化に影響を与え,結果として蒸発速度の向上を確認した.以上のように凝縮熱伝達実験や液滴蒸発実験に周期微細構造面を用いることで,対象流体の挙動を変化させ,結果として熱伝達を変化させることが可能であることを得た.以上の実験から熱輸送に係る定量的評価が可能となった.今後,ピラーやスリットなど構造パラメータの異なる周期微細構造を用いることで,微細周期構造が与える影響についてより詳細な調査をする計画である.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 SEM image of nanostructured surface fabricated by EB lithograp
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
中部電気利用基礎研究振興財団の研究助成 「分子スケール気液相変化機構に基づく,周期微細構造を用いた気液界面現象の制御と蒸発伝熱の高熱輸送化」を受けて実施した.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- (1) Y. Ueki, H. Shiga, M. Shibahara, “EXPERIMENTAL INVESTIGATION OF DROPLET EVAPORATION ON NANOSCALE PERIODIC CUBIC-PILLAR SURFACES”, Proceedings of the 17th International Heat Transfer Conference 2023
- (2) 志賀颯,植木祥高,芝原正彦,“ナノ周期構造表面における液滴の蒸発に関する実験的研究“,日本機械学会 熱工学コンファレンス2022,B132, 2022年10月.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件