利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.19】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1142

利用課題名 / Title

固体中におけるスピン流輸送現象の解明

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

石英基板,スパッタリング/Sputtering,スピントロニクス/ Spintronics,3D積層技術/ 3D lamination technology,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

白石 誠司

所属名 / Affiliation

京都大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

丸山ゆう,清水智

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-201:多元スパッタ装置(仕様A)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年,Beyond CMOSを実現する技術としてスピントロニクスが注目されている.スピントロニクスでは,エレクトロニクスにおいて注目されてきた電子の持つ「電荷」の自由度に加えて,「スピン」の自由度に注目することによって,新奇機能の実現を目指している.スピントロニクスを利用したデバイスを利用するためには,電荷の流れである電流とスピンの流れであるスピン流の変換効率が重要となる.従来,電流-スピン流の変換効率は物質固有の値であると考えられてきた.しかし近年になってプラチナ(Pt)中のスピン流から電流への変換効率をゲート電圧印加によって変調可能であると報告された[1].そこで,我々の研究グループではこの変調機構の理解を深めるために,電流からスピン流の変換効率のゲート電圧変調を試みた.スピン流-電流の変換機構には内因性のものと外因性のものがあり,Pt中では成膜方法によって主要な変換機構が異なることが報告されている[2].先行研究[1]の結果は内因性のスピン流-電流変換機構の変調を示唆するものとなっている.そこで,同様に内因性の変調機構が主要な変換機構となるように,京都大学ナノテクノロジーハブ拠点の設備を利用してスパッタ法によるPtの成膜を行った.

実験 / Experimental

石英基板上に多元スパッタ装置A を用いてホールバー構造のPtを成膜した.その後,電子線蒸着装置を用いて電極を作成した(Fig 1.).電流-スピン流変換効率の評価方法としてはハンレ磁気抵抗効果(HMR)と呼ばれる電流-スピン流の変換現象を起源に持つ磁気抵抗効果[3]を用いた.

結果と考察 / Results and Discussion

Fig 1.の試料を用い,4端子測定によって抵抗の測定に成功した.また,外部磁場を印加することで磁気抵抗効果の測定を行った.今後は磁気抵抗測定の結果を解析することによって電流-スピン流変換効率の評価を行うと共に,ゲート電圧を印加し,変換効率のゲート電圧依存性を調査する.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 A picture of the Hall bar structure made of Pt with electrodes.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献
[1] S. Duchenko et al., Nature Commun. 9, 3118 (2018).
[2] E. Sagasta et al., Phys. Rev. B, 94, 060412 (2016).
[3] S. Vélez et al., Phys. Rev. Lett. 116, 016603 (2016).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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