利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1123

利用課題名 / Title

コンポジット材料界面の分析技術開発

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

金属,樹脂,接合,分析,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,EB,異種材料接着・接合技術/ Dissimilar material adhesion/bonding technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

久保 優吾

所属名 / Affiliation

住友電気工業株式会社

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大村英治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-232:真空蒸着装置(1)
KT-233:真空蒸着装置(2)
KT-210:ドライエッチング装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金属/樹脂接合材料は、エレクトロニクスを初め自動車、航空宇宙、情報通信など広範囲の産業分野で活用されている。中でも樹脂基板上に金属回路を形成したフレキシブルデバイスは重要なアプリケーションの1つである [1]。要求特性を実現するために、金属/樹脂の界面状態に関する知見は不可欠であるが、界面の酸化物や炭化物の生成機構など、未だに不明な点が多い [1]。本研究の最終的な目的は、真空蒸着、ドライエッチングなど薄膜作製手法を用いて界面分析用の試料を作製し、各種の界面状態を明らかにすることである。今回は、真空蒸着法によりポリイミド樹脂基板上にFe薄膜(約10 nm)を室温及び300℃で形成し、走査透過型電子顕微鏡(STEM)で断面観察した結果をまとめる。

実験 / Experimental

真空蒸着法を用い、ポリイミド基板上にFe 薄膜を室温及び300℃で形成した。蒸着時の真空度は約3.0×10-3 Pa、典型的なレートは0.03 nm/sであった。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に、室温で作製したFe(10 nm)/ポリイミドの断面STEM像(組成像モード)を示す。狙い通り、約10 nmのFe層が形成されていることが確認できる。Fe層より上側にある黒色コントラストは、STEM検体作製のためのカーボン(C)蒸着膜であり、Fe層より下側の黒色コントラストは、ポリイミド樹脂である。更にFe層自体は、表面及びポリイミドとの界面に比べて、膜厚方向の中央部分のコントラストがより明るくなって見える。別途実施したエネルギー分散型特性X線分析の結果、表面及び界面はFeが酸化されFe-O層、中央部はFe metal層として形成され、Fig.1に見られる層構造になっているものと考えられる。今後、データの詳細解析を進めると共に、今後は成膜方法や条件と、上述の金属や酸化物の生成比率の相関を調査していく予定である。なお、実験では室温及び300℃でFe薄膜作製を実施したが、紙面の都合上、本稿では室温の結果のみ掲載した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 Result of cross section STEM observation for Fe/polyimide sample


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献 [1] S. Maeda, J. Jpn. Soc. Colour Mater., 78, 131-140 (2005).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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