利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1120

利用課題名 / Title

無機有機ペロブスカイト膜の構造評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ペロブスカイト半導体,X線検出器,厚膜化,電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

佐藤 敏幸

所属名 / Affiliation

京都医療科学大学、医療科学部、放射線技術学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

岸村眞治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-310:X線回折装置
KT-325:卓上顕微鏡(SEM)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

無機有機ペロブスカイト膜をX線検出器へ展開をする研究を行っている。ペロブスカイト膜の厚膜化のために、ペロブスカイト溶液の組成を検討した。

実験 / Experimental

ペロブスカイト膜をX線検出器へ展開するためには、100μm以上の緻密な膜を作製する必要がある。厚膜化のために、基板上にペロブスカイト溶液を滴下し、晶析法によって成膜を行うが、ペロブスカイト溶液の組成・濃度・滴下量・晶析時の温度プロファイルなどが、パラメータとなる。第一段階としてペロブスカイト溶液の組成に着目して実験を行った。ペロブスカイト溶液は、沃化鉛と沃化メチルアンモニウムを有機溶媒に溶かして作製する。表1に示す有機溶媒を用いてペロブスカイト溶液を作成し、膜の結晶状態との関連を調べた。作製したペロブスカイト溶液の組成は次の通り。 
PbI2 0.115g(0.25m mol)  MAI 0.04g(0.25m mol)  混合溶媒 それぞれ0.25ml 単独の溶媒  0.5ml  溶液濃度 0.5M
上記溶液を滴下塗布し、基板を加熱することで結晶を析出させ、ペロブスカイト膜を作製した。作成したペロブスカイト膜をX線回折、SEM断面観察で評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

(1)X線回折
有機溶媒の種類によって、結晶形態が異なっている。DMSO、DMFは針状、GBL、GVLは粒状、NMPは微小多結晶状の形態であった。代表的なX線回折の結果を図1に示す。結晶形態に応じて回折パターンが変化していることがわかる。
(2)断面観察
表面形状が比較的滑らかなNMP/GVL溶媒によるペロブスカイト膜の断面観察を卓上SEMにより行った。図2に示すように、膜表面の結晶は粒状を示すが、膜中では針状結晶となっていることがわかった。晶析温度・時間が不十分と考え、今後温度パラメータの見直しを行う。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Table 1   Solvents used in this study.



Fig. 1  X-ray diffraction pattern.



Fig. 2 SEM image of Perovskite film.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究はJSPS科研費(21K12525)の助成を受けたものである。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 佐藤敏幸,”放射線検出器作製のためのペロブスカイト半導体膜の厚膜化”応用物理学会秋季学術講演会(仙台),令和4年9月21日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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