【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1098
利用課題名 / Title
SEM観察を通じた各種煤粒子形態の比較
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
煤,外観形状,分析,SEM,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
仲野 純章
所属名 / Affiliation
奈良県立奈良高等学校
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
奈良県の伝統的工芸品「奈良墨」は、2018年に国の伝統的工芸品指定を受けるなど(県内では、1975年の「高山茶筌」、1977年の「奈良筆」に次ぐ3例目)、文化的・技術的価値の面で高く評価されている。奈良墨は、伝統的な各種工程を経て製造され、その中の一つ、「採煙」工程は最終製品の品質を決定づける最も重要な工程となっている。一般的に、「採煙」工程では、植物性油を土器に入れ、藺草製の灯芯に火をともして採取されるが、その際の詳細な製造条件は専ら経験則に基づき編み出されたものであり、科学的裏付けに欠くという側面がある。そもそも、火炎内での煤形成メカニズムについては十分解明されていない部分も多く、研究も決して多くはない。Xi et al.(2021)は、これまでの煤形成研究を総括し、火炎上部に向かって煤が成長し、酸化が進行するといったモデルを提示しているが、実測に基づく詳細なメカニズム解明には至っていない。そこで、本課題申請では、伝統的な手法を考慮して作製した各種煤試料に対して、SEM観察を行い、煤形成メカニズムのモデル化に有用な知見取得を試みた。
実験 / Experimental
太さの異なる灯芯に灯した異なるサイズの火炎(大・中・小)から採取された煤試料について、SEM像を取得し、外観分析・比較を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
取得されたSEM像の一例をFig. 1に示す(Fig. 1は火炎サイズ「小」の条件下で得られた煤のSEM像)。いずれの煤試料についても、Fig. 1に例示するように明瞭なSEM像が得られた。こうしたSEM像を通じた煤試料の外観分析・比較により、「火炎サイズが小さくなるほど煤粒径は小さくなる」という傾向が確認された。今後、煤形成メカニズムのモデル化に有用な実証的知見を積み上げ、包括的な説明を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 SEM image of soot sample
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献:Xi, J., Yang, G., Cai, J., & Gu, Z. 2021. A review of recent research results on soot: The formation of a kind of carbon-based material in flames. Frontiers in Mate-rials. 8, 1-6
・本課題は奈良高校と京都大学理学部との高大接続プログラムの一環です。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件