利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1081

利用課題名 / Title

自己補対メタマテリアルを用いたテラヘルツ波デバイス

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

テラヘルツ,メタマテリアル,スパッタリング/Sputtering,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

中西 俊博

所属名 / Affiliation

京都大学大学院工学研究科電子工学専攻

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

中村隆央,藤川高嘉,猪熊瑛

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-202:多元スパッタ装置(仕様B)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

メタマテリアルとは、波長より小さな構造からなる人工的な媒質のことで、構造の設計により様々な電磁応答を実現することから注目を集めている。特に、2次元構造のメタマテリアルはメタ表面と呼ばれ、波面制御や偏光制御など広く研究されている。本研究では、メタ表面をテラヘルツ波の制御に応用することを目的とし研究を行う。これまでは、透過型メタ表面と呼ばれるメタ表面を中心に研究を行ってきた。しかし、透過型メタ表面では、位相と同時に振幅が変化するという制限があり、透過率が1で位相だけ変える高効率メタ表面の実現に問題があった。一方、メタ表面と金属ミラーからなる複合構造である反射型メタ表面においては、理想的な条件下で反射率が1で位相のみ変化させることができる。本課題では、反射型メタ表面に二酸化バナジウムと呼ばれる、65度付近で絶縁体-金属転移を示す物質を組み込むことで、動的に特性を制御するメタ表面について研究を行う。

実験 / Experimental

反射型メタ表面の基板として、2cm角1mm厚のサファイア基板上に、金を接着層として厚さ40μmのサファイア基板を融着した貼り合わせ基板を利用した。多元スパッタ装置にバナジウムターゲットを導入し、温度600度、Ar流量143sccm、 O2流量 3.3sccm、 RFパワー200Wで2 時間かけて二酸化バナジウムのスパッタ蒸着を行った。比較のために、通常のサファイア基板に対して同様の条件で、二酸化バナジウムの成膜を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に作成した貼り合わせ基板上の二酸化バナジウムの面抵抗の温度依存性を示す。面抵抗の測定は、4端子法を用いた。橙線が温度を上昇させた場合の面抵抗、青線が温度を下降させた際の面抵抗である。面抵抗は65度付近で4桁以上の変化を示しており、質の良い二酸化バナジウム膜が形成されていることが確認できた。高温時の面抵抗値も10オーム程度と低く、メタ表面に利用する際に十分な特性を示している。また、通常のサファイア基板でもほぼ同じ特性が得られており、内部の金ミラーが二酸化バナジウムの形成に影響を及ぼすことがないことが確認できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 VO2 膜の直流面抵抗の温度依存性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

基盤研究(C) 20K05360の援助を受け実施された。ここに深く感謝申し上げます。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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