【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1064
利用課題名 / Title
ナノ構造集積MEMSデバイスの研究
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
リソグラフィ・露光・描画装置,電気計測,集積技術,コアシェル半導体,リソグラフィ/Lithography,3D積層技術/ 3D lamination technology,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber,ナノワイヤー・ナノファイバー/ Nanowire/nanofiber
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
磯野 吉正
所属名 / Affiliation
神戸大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
上杉 晃生,仲上 達也
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
高橋 英樹
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-103:レーザー直接描画装置
KT-110:レジスト現像装置
KT-111:ウエハスピン洗浄装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
微小デバイスの高機能化や高付加価値化のため,半導体ナノ構造の利用が注目されてきた。それらを有効活用するためには基板上への集積技術を確立するとともに,その材料特性を正確に把握することが重要である。本研究では,Siナノワイヤ構造の周囲に誘電膜を被覆して形成されるコアシェル構造における歪み誘起抵抗変化に注目して,その集積技術の開発とひずみ-電気特性への影響を明らかにすることを目的にする。これまでにSiCナノワイヤのコアシェル構造において歪み誘起抵抗変化がシェル膜によって大きく変化することを報告しており(参考文献1),比較的低温で成長可能なSiナノワイヤにおけるそれを明らかにすることで高感度の力覚センサへの応用が期待される。本研究では,基板表面に設けた幅10µmの微細溝内へのSiナノワイヤの架橋構造の集積(参考文献2)を行い,4点曲げ法の応用により基板全体をたわませてナノワイヤに引張歪みを与え,その歪み-抵抗変化の関係を評価した。
実験 / Experimental
長さ36mmの短冊型に切り出したSOI基板に対して,京都大学ナノテクノロジーハブ拠点のKT-103で作製したフォトマスクを使用して,Siナノワイヤの集積領域となる溝構造を形成した.基板表層へのボロン拡散後に,上記のフォトマスクを使った2段階のフォトリソグラフィにより,直径60nmの金ナノ粒子を側壁上にのみ配置し,これを触媒としてMACE法によるナノホール形成,VLS法によるSiナノワイヤのボトムアップ成長を実施し,側壁に垂直なSiナノワイヤ架橋構造を形成した(参考文献2)。続く原子層堆積(ALD)法を用いたコアシェル構造化,金属薄膜電極形成の作製工程を行った後に,基板をたわませることでナノワイヤに引張ひずみを与えながら,真空下でI-V計測を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
次図に示すように,触媒金ナノ粒子を側壁上に配置し,Siナノワイヤ架橋構造の形成に成功した。Siナノワイヤの多くが側壁に垂直な結晶成長で始まり,触媒粒子密度に対するナノワイヤの架橋密度の比率は約57%と,高い収率でのナノ構造の集積に成功した。
真空下で,Siナノワイヤに0.18%まで引張ひずみを与えたI-V計測では,結晶成長後のそのままの状態のナノワイヤの場合と,コアシェル化した場合とでは歪み誘起抵抗変化に大きな違いがみられた。今後,誘電膜内電荷密度の及ぼす影響に注目して更なる評価を進める。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
4点曲げを応用したSiナノワイヤ架橋構造のひずみ-抵抗変化計測法と,
トレンチ内微小領域に配置した触媒金ナノ粒子とSiナノワイヤ架橋構造のSEM観察像。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献1
A. Uesugi, et al.,
"Anomalous Piezoresistive Changes of Core-Shell Structured SiC Nanowires",
2021 IEEE 34th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS),pp. 848-851 (2021)
DOI: 10.1109/MEMS51782.2021.9375210
参考文献2
A. Uesugi, et al.,
“Integration of silicon nanowire bridges in microtrenches with perpendicular bottom-up growth promoted by surface nanoholes”,
Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 61, No. 7 (2022)
DOI: 10.35848/1347-4065/ac50bd
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件