利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1044

利用課題名 / Title

固体中の素励起を用いた光-マイクロ波変換

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

切削,光共振器,YIG,電子顕微鏡/Electron microscopy,スピントロニクス/ Spintronics,フォトニクス/ Photonics,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

久富 隆佑

所属名 / Affiliation

京都大学化学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

小宮山 遥

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

大村英治

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-219:ダイシングソー
KT-221:紫外線照射装置
KT-222:エキスパンド装置
KT-302:分析走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高効率な光-マイクロ波波長変換機は、全く異なる周波数(エネルギー)を持つ光子間での量子情報のやりとりを可能にする。特に、複数の希釈冷凍機内に設置されている超伝導量子ビット間を繋ぐことを可能にする重要な物理系である。しかし、未だその実現には至っていない。我々は、固体中の素励起であるマグノンやフォノンを用いて、高効率な光-マイクロ波波長変換器の創出を目指している。特に今年度は、強磁性体中のマグノンを用いた波長変換器の変換効率向上に向けた研究を行った。これまで我々は、市販のミリメートルサイズのYIG球を用いて研究を行ってきた。しかし、光とマグノンの空間モード整合の悪さが原因となり、変換効率が低いことが課題となっていた[1]。そこで本研究では、GGG基板上にスパッタ成膜したYIG薄膜を微細加工することにより、円盤状YIG薄膜を作製する試みを行っている。綺麗な円盤状YIG薄膜は、マグノン・光双方にとって良い共振器として振る舞うことが想定される。さらに空間モード整合も球の場合に比べ格段に良くなるため、変換効率の劇的な改善が期待できる。

実験 / Experimental

今回、所属研究室保有の装置を使用して以下の工程で円盤状YIG薄膜を作製した。A. RFマグネトロンスパッタリング装置を用いて、GGG基板上に厚さ約800 nmのYIG薄膜を成膜。B. 成膜したYIG薄膜上にEBリソグラフィを用いてマスクを作製し、アルゴンイオンミリング(ドライエッチング)により直径100 μm程度の円盤状に加工。作製した円盤状YIG薄膜の形状観察をナノハブの分析走査電子顕微鏡を用いて行った。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig. 1(a)に直径100 μm、膜厚800 nmのYIG円盤の全体像を、Fig. 1(b)に側面拡大図を示す。側面が約1 μm周期で波打っている様子が確認できる。今後はこの凹凸ができるだけ少なくなるよう、作製手法の最適化を行っていく予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


SEM image of YIG disk


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献:[1] A. Osada et al., Phys. Rev. Lett, 116, 223601 (2016).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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