【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.15】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22KT1043
利用課題名 / Title
水電解触媒の高性能化に向けた構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
放射光,形状・形態観察,分析,電子顕微鏡/Electron microscopy,X線回折/X-ray diffraction,放射光/Synchrotron radiation,質量分析/Mass spectrometry,放射光/Synchrotron radiation,二次電池/ Secondary battery,燃料電池/ Fuel cell
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
内山 智貴
所属名 / Affiliation
京都大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
高橋英樹
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究では水素エネルギーに関わる電極触媒の高性能化に向けた材料開発を行っている。例えば水電解触媒では、Ni系触媒(アルカリ水電解)、固体高分子形燃料電池触媒ではPt触媒を中心に開発している。我々の研究室では構造と機能の相関の理解を通じて、触媒の高性能化に向けた基礎学理の構築を目指し、その触媒の原子配列と表面構造を透過電子顕微鏡を用いて解析することを目的としています。
実験 / Experimental
FE-SEMを用いて触媒材料の粒径や形態を解析した。試料はエタノール中に分散し、カーボンテープに滴下、真空乾燥することで観察用サンプルとした。
分析走査電子顕微鏡:試料をカーボンテープに塗布し、測定槽に導入した。X線回折測定:試料粉末はガラス板に固定し、Cu Ka線を使って、θ―2θ法により2θ=5~90°のデータを収集した。ICP質量分析装置:試料は硝酸に溶解し、最終的に2%の硝酸がベースとして含まれるように調製した。
結果と考察 / Results and Discussion
分析走査電子顕微鏡によって粒子の形態観察を行ったところ、粒子は約10 μmを有していた。EDXにより組成を分析したところ仕込み組成とほぼ同じであった。
加えて、ICP質量分析装置により試料組成を決定したところ、仕込み組成とほぼ同じであった。
電解使用前後における電極材料の結晶構造変化と電極特性を比較するために、X線回折測定を行った。層状化合物であるLi(Ni,Fe)O2をベースとした電極材料の劣化機構の解析を行ったところ、003面と104面の強度比と触媒の初期活性に相関があることがわかった。耐久性はそれと逆の相間を示した。これは、電解中にFeドープによりLiが結晶から抜けにくくなるため、耐久性が高くなるものと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
調製した触媒の電子顕微鏡像から、表面近傍まで格子縞が認められており、結晶性の高い材料ができていることがわかった。また、形状は球状に近い不定形で、50-100 nmであることか確認された。今後、触媒活性との相関を検討し、表面付近の構造・電子構造の関係を明らかにする予定である。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件