【公開日：2023.07.28】【最終更新日：2023.04.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0179
利用課題名 / Title
ルテニウムハライドの磁気トルク測定系の構築 / Construction of magnetic torque measurement system for ruthenium halides
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
接合,トポロジカル量子物質,量子効果
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
今井 良宗
所属名 / Affiliation
東北大学 大学院理学研究科物理学専攻巨視的量子物性
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
今井良宗, 佐藤楓貴
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
八重樫光志朗, 戸津健太郎
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
キタエフスピン液体候補物質ルテニウムハライドRu(Br1-xIx)3は，研究代表者がごく最近発見した物質群であり，x~0.8でバンド幅制御型の金属絶縁体転移を示す．金属相におけるフェルミ面を決定するために，メンブレン型ピエゾ抵抗センサーを利用した磁気トルク測定によるドハースファンアルフェン振動の観測を行うために準備を進めている．同測定を実施するために，市販のメンブレン型ピエゾ抵抗センサーと，磁気トルク測定系の基板とを配線することを本研究課題の目的とする．
具体的には，セミオートワイヤボンダ（機器ID：TU-266）を用いて，メンブレン型ピエゾ抵抗センサー（Nanocensors社製，SD-MSS-1K2G）と，ガラスエポキシ基板上の電極との間を，金線で配線を行う．配線した素子に，測定試料をセットして，研究代表者が保有する磁気トルク測定系を用いて，磁気トルクの測定を行う．ドハースファンアルフェン振動からRu(Br1-xIx)3のフェルミ面を決定する．
実験 / Experimental
セミオートワイヤボンダ（機器番号：TU-266）を用いて，メンブレン型ピエゾ抵抗センサー（Nanocensors社製，SD-MSS-1K2G）と，ガラスエポキシ基板上の電極との間を，金線で配線を行った．ガラスエポキシ基板には，2種類の基板（基板A，基板B）を用いた．基板Aは，aitendo社で購入した0.5/8Pピッチ変換基板 (05S-D8)で，基板Bは，秋月電子通商社で購入した0.5mmピッチIC(8ピン)変換基板 (AE-0.5X8P)である．
結果と考察 / Results and Discussion
初めに基板Aとメンブレン型ピエゾ抵抗センサーとの配線を試みた．電極の材料によってボンディングの最適な条件は異なるため，電極の材料に応じて，超音波出力(U/S)，ボンディング時間(Time)，荷重(Force)といったパラメータの最適な条件を決定する必要がある．メンブレン型ピエゾ抵抗センサーの電極はアルミニウム電極であり，条件パラメータを適切に設定することで，適切にボンディングできることがわかった．しかし，基板Aの電極（錫メッキ，あるいは，銀メッキと推測される）は，種々のパラメータを検討したものの，適切に配線することは困難であった．そこで，装置担当スタッフの助言のもと，装置のテスト測定で用いているものと同じ材質の電極を持つ基板Bへと基板を変更して，再度配線を試みたところ，基板Bの電極（金メッキと推測される）においては，パラメータを適切に選ぶことによって，ボンディングが可能であることがわかった．Fig. 1に，メンブレン型ピエゾ抵抗センサーと基板Bとを金線で配線した写真を示す．メンブレン型ピエゾ抵抗センサーとガラスエポキシ基板の電極間を，金線を用いて適切に配線できていることがわかる． 今後，メンブレン型ピエゾ抵抗センサー上に，試料を取り付けたのちに測定系にセットし，磁気トルクの測定を行っていく予定である．
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 メンブレン型ピエゾ抵抗センサーとガラスエポキシ基板上の電極との配線の写真．
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件