利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0079

利用課題名 / Title

シリコンフィールドエミッタの導電性制御 / Conductivity control of Silicon field emitter array

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

イオン注入, 電界放出電子源,高周波デバイス


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

長尾 昌善

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

龍田 正隆

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-105:中電流イオン注入装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々は、進行波管などの高周波デバイスや、エックス線源、電子顕微鏡、分析装置などで使用される真空中に電子を放出する電子源デバイスの開発を行っている。特に、熱を使わずに電圧を印加するだけで真空中に電子を放出可能な電界放出型の電子源であって、シリコン基板上に電子を放出するエミッタと、電子を放出させるための強電界を印加するゲート電極を一体化したゲート電極一体型のフィールドエミッタの開発を行っている。今回、基板であるシリコンの導電性(抵抗率)を制御するために東北大学の中電流イオン注入装置を利用した。

実験 / Experimental

シリコン基板上に400nm程度のSiO2をプラズマCVDで成膜し、フォトリソグラフィーによりSiO2を2µm程度の円形パターンに加工した。そのSiO2をマスクとし、SF6とO2の混合ガスを用いたリアクティブイオンエッチング(RIE)により、シリコンの円錐形状を作製した。その後、そのシリコン円錐を熱酸化し、酸化膜を除去することにより、先端の非常に鋭いエミッタを作製した[1]。
このようにして作製したシリコンエミッタを有する基板に対して、中電流イオン注入装置を用いて、p+イオンを100keVで1×1016/cm2注入を行った。その後、RCA洗浄を行い、N2雰囲気中で1000℃ 30分アニールすることで、導電性を向上させた。また、注入したリンの分布を調べるために、半導体シミュレーター(SILVACO社TCAD)を用いて不純物濃度を調べた。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に半導体シミュレーターを用いて計算したリンの濃度分布を示す。基板中のリン濃度を5×1014で一定と仮定している。100keV1×1016ions/cm2注入した直後の濃度プロファイルを赤線で、1000℃30minアニールした後の濃度プロファイルを緑線で示している。100kVで注入した直後は、深さ約100nm程度にピークがあり最大1021 /cm3の濃度であるが、アニール後は濃度が1020/cm3程度で概ねフラットな分布が700nm程度の深さまで拡散している事が予想された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 simulation result of phosphorous implantation and annealing.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・参考文献 [1] M. Nagao and T. Yoshida, Microelectronics Engineering, 132 (2015) 14-20.
・その他ARIM利用機関:産業技術総合研究所(JPMXP1222AT0167)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 長尾昌善、“集束電極一体型ボルケーノ構造フィールドエミッタの開発”第24回高柳健次郎記念シンポジウム、令和4年11月29日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:2件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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