【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0025
利用課題名 / Title
平面型熱電発電素子のシリコン酸化膜犠牲層エッチング / Sacrificial layer etching of SiO2 for planar-type TEG
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
膜加工・エッチング/Film processing and Etching,熱電材料
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
柳澤 亮人
所属名 / Affiliation
東京大学生産技術研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
小池壮太
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
吉田孝, 戸津健太郎
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-216:Vapor HFエッチング装置
TU-307:金属顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
平面型シリコン熱電変換デバイスを作製するため、東北大学の設備を利用してシリコン酸化膜の犠牲層エッチングを行った。デバイス層面内に温度差をつけるためにブリッジ構造が重要であり、シリコンナノ構造にダメージを与えずに犠牲層エッチングを行うため、本装置を利用した。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】
Vapor HFエッチング装置(uEtch)
【実験方法】
支援機関にて、表面にデバイス構造を作製したSOIウエハの小片を持ち込み、SiO2層の開口部からVHF装置を用いて犠牲層エッチングによるブリッジ構造の作製を行った。用いた試料のデバイス層は厚さ1.1 umの多結晶シリコンで、SiO2層の厚さは2.5 umである。メインのエッチングレシピとしてガス流量比N2:EtOH:HF=1250:350:310を用い(単位は装置固有)、600秒を1サイクルとして、本番試料では8サイクルのエッチングを行った。エッチング後、金属顕微鏡を用いて水平方向のエッチング距離を測定した。
また持ち帰り後、デバイス層に作製してあったシリコンナノ構造へのダメージを評価するため、VHFを行った試料の電気抵抗を測定し、VHF前後で比較を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1にVHF後の顕微鏡写真を示す。8サイクルのVHFエッチングを行った試料について測長機能で評価した水平方向のエッチング距離は約4 umであり、一部を残してSiO2層がエッチングされ、設計通りにブリッジ構造を作製できた。また試料を持ち帰り後に電気抵抗の測定を行った結果、VHF前後で変化がなかった。 従来はフッ酸溶液の蒸気を用いてVHFを行っていたが、今回、エタノールと気体HFの混合ガスを用いてエッチングを行い、減圧・脱水下のプロセスであるため、シリコンナノ構造へのダメージがなかったと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Optical microscope image of a test structure of planar-type TEG after VHF SiO2etching.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・CREST(JST)「フォノンエンジニアリングに立脚した熱電給電センシングシステム」
・VHF装置uEtchメーカーであるSPPテクノロジーズの藤井克行様に紹介いただきました、感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Ryoto Yanagisawa, Planar-Type Nano-Silicon Thermoelectric Generator Over 100 µWcm-2, 2022 21st International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications (PowerMEMS), , 114-116(2022).
DOI: 10.1109/PowerMEMS56853.2022.10007583
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- R. Yanagisawa, P. Ruther, O. Paul, N. Tsujii, T. Mori, and M. Nomura, “Planar-type nano-silicon thermoelectric generator over 100 uWcm-2″, 21st International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications (PowerMEMS 2022), W3B-01, Salt Lake City, USA (2022). (Best Paper Award)
- 柳澤亮人, 古澤健太郎, P. Ruther, O. Paul, 野村政宏, “フォノニック結晶ナノ構造シリコン薄膜を用いた平面型ダブルキャビティ熱電発電素子の開発,” 第83回応用物理学会秋季学術講演会, 21a-C102-1, 仙台 (2022).
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件