【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.24】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0166
利用課題名 / Title
金属表面改質方法の開発
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
ショットピーニング,集束イオンビーム/Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
コマロフ セルゲイ
所属名 / Affiliation
東北大学 工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
金属材料の特性は母相組織と結晶構造、構成元素の成分分配だけでなく、実際に用いられている材料では平衡状態からのずれも大きな要因になる。また実際に用いられる材料は一様ではなく、腐食や高温酸化、耐摩耗性など、表面状態が重要な役目を担っている。さらに近年では強加工による機械的強度の増強も積極的に行われ、いわゆる非平衡相を局所的に誘起することを利用する技術も大きな進展を見せている。本課題ではⅣ族元素のうえにⅥ族元素層が施された複合材料にさらにショットピーニング技術を応用することにより、特性改善を狙う一環として、表面付近の構造解析を行うための試料作成技術の検討を行った。
実験 / Experimental
本研究では表面状態を損なうことなく電子顕微鏡(TEM)サンプルを作成することが最も重要かつ困難であり、種々の検討の結果、ガリウムイオンを用いたイオン光学系を有するFIBによりを用いることが最適であるとの結論に達した。特に今回の材料は表面が粒子により強加工された状態にあり、凹凸が激しい直接的な表面ではないもの、内部歪が蓄積されている領域であることが予想され、軽元素等による表面保護膜を作成した後、試料採取位置周囲の荒堀および中堀加工をまず行った。その後、数ミクロン程度まで薄くなったサンプルをマニピュレータによって抽出し、電顕用のグリッドに装着、薄片化加工を行なった。
結果と考察 / Results and Discussion
図1にマニピュレータによるサンプル抽出の状況を示す。このように最表層が保護されており、良好に荒堀加工からJ-カットまで進めることができ、サンプルのリフトオフに成功した。図2には電顕用マイクログリッドに固定し、薄片化がある程度進行している途中の状況を示す。これは 10kV-SEM像であり、一部の領域が白いコントラストを呈しているが、これは局所的に薄い領域が生成していることを示唆するものである。また、サンプルを横断する形でクラックが入っているが、これは荒堀加工中から観察されており、ショットピーニングによる強加工過程で誘起されたものと思われる。今回の一連の実験で FIBによる試料抽出が可能であることが明らかとなった一方、歪の蓄積による効果など、不明な点もあり、今後の検討が必要である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 FIBによるサンプルの抽出
図2 電顕用資料グリッドに装着され、薄片化処理が進行している途中の SEM像
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件