利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.24】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0130

利用課題名 / Title

光無線給電用の近赤外感度を有する超薄型透明太陽電池の研究開発

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

発電関連材料, 微粒子, 薄膜,集束イオンビーム/Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

内山 直美

所属名 / Affiliation

東北大学大学院 工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

加藤泰成

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-507:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

近年、光無線電力伝送(OWPT:Optical Wireless Power Transmission)は、コードレスでエネルギーを供給できる革新的な方式として注目されている[1, 2]。本申請研究は、近赤外光を用いた昼夜を問わず使用可能な受光素子(塗布型有機光電変換素子)の開発である。これまでの我々の研究により、結晶性の向上により光電流が上昇傾向にあることが確認されている。しかし、シンプルな溶液塗布工程による成膜では連続膜の形成が困難である。実験では、結晶成長場を制限するためのくぼみ加工の検討を行った。加工には、微細な形状を自在にアレンジ可能な集束イオンビーム(FIB)を使用した。その中でも、走査電子顕微鏡(SEM)で加工の様子が適宜観察可能なデュアルビームFIB:(FEI Versa3D)を使用した。

実験 / Experimental

くぼみ加工は透明電極付ガラス基板に行った。基板表面の帯電を防ぐためにあらかじめ炭素蒸着を施した。加工する際のイオンビームは、加速電圧20 kV、ビーム電流0.13 nAで使用した。くぼみの形状は、60 μm角と180 μm角の2種類の矩形を検討した。深さは約50nmとした。これは我々の予備実験により、膜厚に対する光電流の値が大きかったためである。各矩形を加工するにあたり、1度に設定できる加工枠の大きさに制限があったため、60 μm角は20 μm角の加工枠、180 μm角は60 μm角の加工枠を3行3列で構成した。

結果と考察 / Results and Discussion

図1に20 μm角の加工枠を3行3列で構成した60 μm角くぼみのSEM画像を示す。赤丸内に示した円形のものが複数発生した。図2は60 μm角の加工枠を3行3列で構成した180 μm角くぼみのSEM画像である。加工枠を大きくすると、円形のものは発生しなかった。現段階で、円形のものは凹凸の確認ができていない。発生した原因については、20μm角の加工枠の端に発生しているため、小さい加工枠を並べて加工する際に、ビームが再照射されることで発生したものと推測される。しかし、詳細は不明である。今後、加工時間と溶液塗布量等を考慮し、大きさおよび形状をさらに検討していく予定である。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.60 μm角くぼみのSEM画像
(20 μm角の加工枠を3行3列で構成。赤丸は加工時に生じた円形のもの。)



図2.180 μm角くぼみのSEM画像
(60 μm角の加工枠を3行3列で構成。)


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

[1] Y. Katsuta et al., Jpn. J. Appl. Phys., 58, SJJE02 (2019)
[2] N. Uchiyama et al., Jpn. J. Appl. Phys., 59, 124501 (2020).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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