利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0086

利用課題名 / Title

量子ビームを用いた生体操作技術のための物質開発

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

バイオ関連材料, シリカ, メソポーラス材料, 窒化ホウ素系ナノチューブ,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

菊池 洋平

所属名 / Affiliation

東北大学 工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-506:低加速高分解能走査電子顕微鏡
TU-503:超高分解能分析電子顕微鏡
TU-504:超高分解能透過電子顕微鏡
TU-507:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

報告者らは現在、量子ビームを用いた生体操作技術についての要素技術開発を行っている。生命科学分野では、生体に光感受性の物質を導入、または遺伝子を発現させ、これらの機能を光照射によって時空間的に操作する技術が用いられている。一方で、光本来の伝播特性のため、これらの技術では生物個体の深部領域に対しての局所的な制御は極めて困難である。申請者らは、これを可能とする代替技術として、生体深部への直進性の優れる量子ビームを用いた操作技術の開発を行っている。この技術では、量子ビームの照射によって生体関連物質(例えば、神経伝達物質等)を任意の時間・場所で放出な可能な物質を生体内に導入する。本課題では、当該物質の合成方法などの最適化のための物質の分析を行った。 

実験 / Experimental

上記の当該物質は、粒子ビームで発光を生じる蛍光粒子(量子ビームで発光)のコアと、メソポーラスシリカ(以下、MS)の外殻を持つコアシェル構造を有している。MS表面は数十nm程度の径の穴(メソ孔)が多数開いた構造をしており、ここに生体関連物質注入し、光感受性バルブ(蛍光粒子コアからの発光で開放状態となる)で封入することで粒子ビームによる生体操作を実現する。当該の物質の合成を達成するに当たって、コアとしては紫外蛍光体粒子であるYPO4:Gdを採用する予定で、粒径として10-100nm程度が適切と考えている。分級等によってこれに該当する粒子群を効率的に抽出し、かつ、適切な構造のコアシェル構造の物質の合成を行うためには、これまで行ってきたDLSを用いた粒子サイズの分布に関する情報に加えて、粒子の実際の形状や凝集等の状態についても観察することが必要と考える。また、上記の蛍光粒子を用いて作成した最終合成物質のコアシェルの構造やメソ孔の直径はその合成条件によって変化するため、これを最適化させるためには微細構造の観察が有効である。本課題では、電顕を用いて構造の分析を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

合成した機能性ナノ粒子がコア-シェル構造およびメソポーラス構造を有するかを確認するためにSTEM・EDS分析を行った。観察はメソ孔にマジックインキを詰めFIB加工により薄膜化したサンプルを用いて行った。STEM画像、Si、Y元素の分布からコア-シェル構造を確認することができ、その厚みは約20nmであった。また、Si元素分布の隙間においてC元素分布が見られた。これはメソ孔内に入り込んだマジックインキに含まれるC元素を示していると考えられる。以上のことからSTEM・EDS観察によりコア-シェル構造を確認することができた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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