【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0068
利用課題名 / Title
岩石構成鉱物のマイクロ破壊靭性評価
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
無機系材料・物質群, 鉱物・岩石,集束イオンビーム/Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
坂口 清敏
所属名 / Affiliation
東北大学 環境科学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
未利用の超臨界地熱資源の有効利用や高レベル放射性廃棄物の地層処分は,いずれも地殻を対象とする重要な課題であり,その達成に必要不可欠なものは「安全性の担保」である。この「安全性の担保」を支配するキーワードは「き裂」であり,換言すれば「岩石破壊の理解と制御」である。しかし,2000年以降この分野の研究には大きな進展は少なく,新しい概念(不均質であり,力学的異方性示す物質としての岩石)の導入に基づく理論の体系化は未完である。複雑な場である地殻を対象とする身近で,かつ重要な施策の進展と障壁となる課題の解決には,新しい概念に基づく岩石破壊理論の体系化は必要不可欠である。本研究では,不均質体である岩石の破壊進展機構を,従来のマクロな視点での評価のみならず,ミクロな視点においても詳細に評価し,岩石のマクロ破壊靭性とマイクロ破壊靭性の共依存の観点から解明する。すなわち,岩石の破壊靭性や変形特性をより正確に評価した上で,岩石の破壊進展機構を解明し,岩石破壊力学において新たな局面の展開を目指す。
実験 / Experimental
岩石の構成鉱物(石英、カリ長石、斜長石、黒雲母)の個々の破壊靭性試験および2つの鉱物の粒界の破壊靭性試験 を行うために,FIBを用いて3種類の寸法の供試体(10µm×10µm×50µm,20µm×20µm×50µm,20µm×20µm×100µm)を作製した。作製手順の概要を図1に示す。図2に作製した供試体をの例を示す。
結果と考察 / Results and Discussion
石英、カリ長石、斜長石の3種の鉱物の粒界について、粒界を含む供試体を作製しMFT試験を行った。粒界のMFTは大きい方から石英-カリ長石(K_IC=0.47 [MPa√m])、斜長石-カリ長石(K_IC=0.27 [MPa√m])、石英-斜長石(K_IC=0.10 [MPa√m])であった。粒界を含む場合のMFTはそれぞれを構成する単一鉱物のMFTに比べ小さいことから、粒界が存在することで鉱物の強度(破壊靭性)が低下することが示された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 FIBにによる供試体作製手順の概要
図2 作製したマイクロサイズ供試体
(a) 単一鉱物供試体
(b)鉱物境界を含む供試体
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Kiyotoshi Sakaguchi and Yuta Shirosawa, "Size effect and correlation with hardness of the microscopic fracture toughness of the minerals of granite", 15th ISRM Congress, 2023年10月10日~13日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件