利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22TU0055

利用課題名 / Title

らせん磁気構造の高密度電流制御を用いた磁性・トポロジー強結合現象の創出

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions

キーワード / Keywords

磁性材料, トポロジカル量子物質,集束イオンビーム/Focused ion beam,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,トポロジカル量子物質/ Topological quantum matter


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

メイヨー アレックス浩

所属名 / Affiliation

東北大学 金属材料研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-507:集束イオンビーム加工装置
TU-508:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

本研究では磁性トポロジカル半金属におけるバンド・トポロジーと局在磁性との非自明な電磁結合の物理的起源の解明、その制御手法の確立、それに伴い発現する巨大応答を利用した新しい機能性の開拓を目的とする。具体的には、らせん磁性体単結晶に対してFIB装置Versa 3Dを用いて微細加工を施し、高密度電流の印加が可能なデバイスを作製する。作製したデバイスにおいて、ヘリシティの電気的制御に伴う非自明なトポロジカル伝導や非相反伝導の検出を中心として実験研究を進める。

実験 / Experimental

磁性半金属材料の単結晶に対して、FIB装置Versa 3Dを用いてマイクロメートルスケールのホールバー素子を作製した。加工方法は以下複数のアプローチを行った。
①バルクピックアップ法に倣い、対象試料から30μm×15μm×5μmのブロックを切り出してSi基板上に配置後、FIBアシストのPtデポジションにより電極を作製し、ホールバーの形状に整形した。
②事前に電極付けを行ったバルク試料(数十~数百μmスケール)に対してFIBによる大面積加工を行い、ホールバーの形状に整形した。

結果と考察 / Results and Discussion

バルクピックアップ法に倣ったアプローチでは良好なオーミック電極が得られず、電気抵抗率測定が困難であることがわかった。原因としては、今回の対象材料が一般の金属と比較してキャリア密度の小さい半金属であることから、加工に伴う試料表面のダメージやキャリアドープの影響を顕著に受けやすいことが考えられる。また研究者との議論や情報交換を通じ、経験的に層状物質は加工ダメージを受けやすい可能性があるという指摘も受け、これも今回の対象材料では一因と考えられる。
対応策として、スポット溶接やスパッタ蒸着などの方法で事前に電極を作製したバルク試料に対して加工を行ったところ、上述の問題は大きく改善し、当初の研究目的に据えていたヘリシティの電気的制御の兆候を観測するに至った。事前に電極付けを行うことで、ダメージに特に敏感な電極/試料界面の部分のFIB加工を回避できたことが功を奏したと考えられる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. バルクピックアップ法とFIBアシストのPtデポジションにより作製したホール素子



図2. スパッタ蒸着で電極を作製したバルク試料に対して大面積加工を施して得られたホール素子


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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