利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22HK0086

利用課題名 / Title

海産浮遊珪藻Chaetoceros科の分類同定のための微細構造確認

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

浮遊珪藻,Chaetocros科,刺毛表面の微細構造,電子顕微鏡/Electron microscopy,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

内野 英一

所属名 / Affiliation

株式会社プラントビオ

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

高知大学山口晴生准教授,岩国ミクロ生物館長友館長

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

森有子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-404:超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

浮遊珪藻Chaetoceros科の分類は、種類が多く国内でも約60種が確認されいるが、光学顕微鏡を使った形態分類には限界があり、本科の特有の刺毛の表面構造に着目し、その同定のカギとなるべく特徴を探るため約60種についての刺毛の断面、表面構造について解析し、DNA解析結果と合わせ報告することを目的としております。

実験 / Experimental

SEMを使用した、微細な形態観察のため対象微細藻類を8μポアフィルターにて洗浄濾過した後、白金蒸着後観察を行った

結果と考察 / Results and Discussion

昨年度からの継続で残りのChaetoceros科47種を対象に微細構造観察を行った結果、新知見も複数確認された。
海産珪藻全体で、地球上の二酸化炭素を25%吸収すると言われ、その珪藻の中でも、Chaetoceros科は最も種数・細胞数共多く重要な科であるが、形態分類(栄養細胞)だけでは、判別の着かない種も多く、遺伝子解析と形態分類及び休眠胞子の形態などを含む分類が望まれていた。詳細な形態に関しては、今年度で残すところあと2種となった。(あと数種あるが、日本近海では採集が稀で難しくまた出現時期も年により変化するため除外した)形態分類種とその遺伝子配列が確定すると、次世代シーケンサーを使った環境DNA測定を行う事で、現場水域の海水中の遺伝子によりどんな種類が生存しているかが分かるため、形態分類と分子生物学の合体で生物モニタリング調査にも有用な情報になる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.Chaetoceros tetrastichonの第一刺毛
本種は、繊毛虫が寄生する希少種であるが、従来は光学顕微鏡のみの観察が主体で、従来は確認されていなかった第一刺毛のみに生える毛状の毛を確認できた。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

高倍率SEMを使った珪藻(Chaetoceros科)の微細構造と同時に、個々の遺伝子配列も解析中(すでに25種、NCBI他に登録済み)であり、残りの解析が終われば、形態分類と遺伝子データの紐付けが可能となり、新種記載等にも有効な手段となる。本研究においては、北海道大学名誉教授今井一郎先生に藻類の培養から、休眠胞子形成について親切丁寧にご指導戴き、また瀬戸内海の微細藻類サンプル採取送付においては、岩国ミクロ生物館、末友靖隆館長にそれぞれ感謝の意を表する。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 海産珪藻Chaetoceros rotosporusに感染する ウイルス様因子の分離・性状解析(形態分類担当)2023.03.28水産学会予定
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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