利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.14】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22HK0012

利用課題名 / Title

ナノ材料へのモルフォロジー付与による機能向上

利用した実施機関 / Support Institute

北海道大学 / Hokkaido Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials

キーワード / Keywords

メソポーラスカーボン, リチウム空気電池, 細孔構造制御,電子顕微鏡/Electron microscopy,メソポーラス材料/ Mesoporous material,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

永石 新太郎

所属名 / Affiliation

北海道大学大学院総合化学院 材料化学工学研究室

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

原田真吾,内田悠 ,王永明

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

HK-302:電界放出形走査電子顕微鏡
HK-301:環境セル対応透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

リチウム空気電池は空気中の酸素を正極活物質に用いることから、現行の二次電池と比べ非常に高いエネルギー密度が期待されている。正極において、電解液中のLi+と酸素が反応して高表面積な炭素材料の表面にてLi2O2が析出する。細孔内にもLi2O2が析出することが知られているメソ-マクロ孔性炭素を電極材料に使用した場合、細孔の深さ方向にLi2O2の析出状態が変化していることが予想され、正極内部での酸素と電解液の拡散性に大きく影響を与えると考えられる。このため、電極性能の向上のためには析出状態を詳細に把握することが重要であるといえる。そこで、メソ-マクロ孔性炭素材料であるカーボンゲルのディスク状の電極を作製し、この充放電状態の異なる電極断面を走査型電子顕微鏡にて観察した。この結果、限界容量の半分程度の放電深度であれば厚さ方向への影響はほとんどなくLi2O2が析出することが判明した。

実験 / Experimental

レゾルシノールとホルムアルデヒドを重合させて得られる樹脂を炭素化し、ディスク状のカーボンゲルを作製した。このディスク状電極を正極、金属Liを負極、電解液を1M LiTFSI TEGDME溶液とした空気電池セルを組み立て、電流密度50 mA/gで10 h放電した。
放電前の電極と十分に洗浄した放電後の電極をカーボンテープで試料台に固定し、電界放射型走査電子顕微鏡(JEOL, JSM-7700F)にて観察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

放電状態の異なる電極断面のSEM-EDXによるO元素の線分析の結果をFig. 1に示す。ここから、2.0 mAh cm-2までの放電初期の段階では放電反応の進行に伴い、Li2O2の析出を示すO割合が厚さに関わらず均一に増加していることがわかる。一方、限界放電容量である4.2 mAh cm-2まで放電した場合、酸素導入側に大幅にLi2O2の析出が偏っていることが判明した。このことから、過度に放電することで析出したLi2O2が細孔を閉塞し、放電が終了していることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 EDS line profiles of cross-sectional CGM at different discharge depths.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Shintaroh Nagaishi, Shinichiroh Iwamura and Shin R. Mukai, "Elucidation of the Pore-Filling Mechanism of Porous Carbon Cathodes for Lithium-air Batteries Using Carbon Gel Monolith", Carbon 2022, London UK
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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